日本事務器（NJC、大塚孝一社長）は、新事業としてオフィス用品の通信販売と漁業協同組合（漁協）向けパッケージソフト販売事業を始める。オフィス用品通販ビジネスは、すでに昨年末に開始。漁協向けパッケージは2月に開発を終わらせ、2007年度（08年3月期）中に販売を始める。従来の製品・サービスメニューの拡充だけにとどまらず新規分野に進出する。

　昨年末に始めたオフィス用品の通信販売「あっとゆ～ま！」は、ウェブサイト上に商品を展示して顧客はサイトの専用フォームから商品を申し込む。文具やサプライ品、生活用品のほか、ソフトなどのIT機器も揃える。頻繁に購入するアイテムを登録する機能を付加しており、顧客自身がサイトをカスタマイズすることも可能にした。

　NJCはサービス事業を伸ばす計画を立てており、通販事業もその一環で始める。大塚社長は「ハード保守サービス事業の低迷をカバーするためにサービスメニューの増強は必要」と説明する。サービス事業のなかで比率の高いハード保守はサービス単価下落で低迷気味。これを補う施策として運用サービスやアウトソーシングサービスを強化する。既存顧客からオフィス用品のニーズが高いとして、今回サービス名称をつくり、メニューを体系化して始めることにした。

　一方、漁協向けパッケージは、全国の漁協の基幹業務向けパッケージソフトで、製品名称は「マリンマネージャー」。同社は漁協向けソフト開発・システム構築を以前から行っていたが、05年4月に漁協向けパッケージ開発事業を専門にする100％子会社のNJCほっぷす（札幌市、渡辺義弘社長）を設立。「マリンマネージャー」は、NJCほっぷすが開発したソフトで、同社にとって初のパッケージソフト。北海道だけでなく全国の漁協向けにNJCグループとして販売を広げていく。最近の漁協は合併・統合の動きが盛んで、「IT化して業務効率や生産性を上げなければならない時期」と大塚社長は実情を語る。こうした背景から、製品化に至った。