ダイヤモンドコンピューターサービス（DCS、後藤明夫社長）は今後3－4年で連結売上高600－700億円を目指す。親会社でコンサルティング会社の三菱総合研究所（MRI）と合わせて売上高1000億円規模に増やす。大手SIerとしての存在感を強め、エンジニアの技術レベルを可視化するITスキル標準を活用した人材育成に力を入れる。

　DCSの昨年度（2006年9月期）の連結売上高は約433億円、経常利益約21億円で過去最高を記録した。04年末から進めてきたMRIとの連携強化が数字となって現れたかたちだ。経営コンサルティングなど上流工程を得意とするMRIと、ITコンサルティングやシステム開発に強いDCSとの連携拡大によって受注能力が大幅に高まった。

　三菱UFJフィナンシャル・グループ系のSIerとしてDCSは金融機関やクレジットカード関連のシステム構築を得意としてきた。昨年度でも全体の6割あまりを金融関連が占めた。今後はMRIとの連携をさらに強めることで一般民需や官公庁需要の比率を高める。これにより3－4年後には連結売上高を600－700億円に伸ばし、金融関連と民需、官公庁の比率を半々にもっていく考えだ。

　MRIは民需や官公庁など業種横断的なノウハウをもち、グランドデザイン力が高い。これにSIなど実ビジネスに落とし込むDCSの力量が加わることで「大きな相乗効果が得られる」（後藤社長）とし、来年度（08年9月期）からの3か年経営計画では両社合わせて年商1000億円規模を視野に入れる。一般民需向けの施策では三菱東京UFJ銀行の法人顧客への営業も強化する。

　技術者のスキルアップも進める。すでに導入しているITスキル標準のレベル数と取得人数を掛け合わせた指数を現在の約4000から7000ポイントに増やす。ITスキル標準は7段階のレベルがあり、標準はレベル3－4。例えばITアーキテクトやコンサルタント、プロジェクトマネジメントなどの職種でレベル5以上のハイレベルの取得者数を今後3年程度で増やすことで、全体の指数を高める。

　コンサルティングからSI、運用サービスに至るトータルな受注を増やし、かつ技術者のレベルアップで生産性を高めることで事業拡大を加速させる。