その他
マイクロソフト 技術支援で陣営拡大を狙う
2006/12/04 21:10
週刊BCN 2006年12月04日vol.1165掲載
マイクロソフト(ダレン・ヒューストン社長)は、企業向け新製品への移行に伴い、パートナー各社を支援する無償プログラム「Application Platform Program(APP)」をスタートさせた。調布技術センター(東京・調布市)に検証や新規対応を行うための大規模な施設を設置、来年6月末までの期間限定で行う。従来の技術支援とは異なり、最新IAサーバーなどハードウェアの実機を利用したトレーニング方式をとり入れた。64ビット製品が登場した際には、同社が主導するハード検証・支援がなく、業務ソフトなどで32ビットからの移行が遅れた経緯がある。同プログラムは、新OS「Vista」など、同社製品のほとんどが最新版に変更されるのを機に、一気に“陣営の拡大”を狙う。(谷畑良胤●取材/文)
パートナー向けに6プログラム
■新支援策は開発ステップ重視
APPは、従来から提供している「SQLサーバー2000」や他社データベース製品から「SQLサーバー2005」へ移行するプログラムを他の製品にも拡充したもの。最新開発ツール「Visual Studio2005」を使った「.NETフレームワーク」環境へ製品を移行する開発者を増やすほか、サーバーOSやワークフロー、セキュリティ製品などパートナー製品に組み込むための技術支援などを行う。
特徴は、業務ソフトの開発企画段階を重視していることだ。開発時点で必要な同社製品への移行支援のほか、他社製品やオープンソースソフト(OSS)製品から新規に対応を促すためのトレーニングや移行ツール、技術情報、プログラミング技法の提供、ハードを利用した検証──などを1つのパッケージとして無償提供する。
プログラムは、データベースや開発ツール、セキュリティ製品、64ビット製品などに対応した6つのメニューを用意した。今後、「Vista」など他の製品に対応したメニューを追加する予定だ。
日詰廣造・パートナーテクノロジー推進本部本部長は「バグフィックス(バグ修正)まで、当社が責任をもつという観点で、今回のプログラムを新設した」と、調布技術センターでは、ISVやSIerなど各ベンダー別に個室を設け、プログラム専任のスタッフが支援するという念の入れよう。実際、サーバーを占有する期間を考慮すると「1か月に15製品程度の対応が限界」(同)なため、“膝詰め”のプログラムであることは間違いなさそうだ。
■企業内アプリも移行対象に
各メニューは2日間で修了する構成。1日目には移行・導入環境を構築し、2日目で実際の作業を実施して問題点を洗い出す。利用者は、製品の開発段階に同社製品と効果的に組み合わせる方法や、ワークフローなどの活用方法を事前に検討することができ、製品開発を短期間で行うことが可能になる。
対象となるのは、汎用的な業務用の市販ソフトやSIerが提供する業務ソリューションは当り前として、UNIXから64ビットへ移行することのある企業システムも対象にする。特に、オラクルのデータベースを搭載していたり、製品コストを下げる目的でOSSミドルウェアを採用している場合、あるいは、同社データベースの旧版を長期間利用する製品に狙いを定めている。
また、新OS「Vista」に対応した業務ソフトは順次登場しているが、特徴である3次元グラフィック効果「Aero(エアロ)」のユーザーインターフェイス(UI)を組み込んだ製品を出す予定のベンダーがまだ少ない。このため、製品開発者向けにUI開発の支援策も講じていく計画だ。これだけ新製品が一気に登場すれば、パートナー側がマイグレーション作業に戸惑うことは容易に想像できる。そこに資金を投じ、開発段階から支援することで“マイクロソフト陣営”への囲い込みを狙っているようだ。
マイクロソフト(ダレン・ヒューストン社長)は、企業向け新製品への移行に伴い、パートナー各社を支援する無償プログラム「Application Platform Program(APP)」をスタートさせた。調布技術センター(東京・調布市)に検証や新規対応を行うための大規模な施設を設置、来年6月末までの期間限定で行う。従来の技術支援とは異なり、最新IAサーバーなどハードウェアの実機を利用したトレーニング方式をとり入れた。64ビット製品が登場した際には、同社が主導するハード検証・支援がなく、業務ソフトなどで32ビットからの移行が遅れた経緯がある。同プログラムは、新OS「Vista」など、同社製品のほとんどが最新版に変更されるのを機に、一気に“陣営の拡大”を狙う。(谷畑良胤●取材/文)
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