その他
ビル・ゲイツ氏、東京を走る 記録的な暑さをものともせず
2005/07/11 21:10
週刊BCN 2005年07月11日vol.1096掲載
6月27日、約2年半ぶりにマイクロソフトのビル・ゲイツ会長兼チーフソフトウェアアーキテクトが来日した。前回、2003年2月の来日では、経済産業省や総務省、文部科学省をはじめとする官公庁などを訪問し、マスコミや一般の前に出てくる機会は少なかった。ところが今回は、マイクロソフトのビジネス戦略に関する記者会見、講演会、ITイベントでの基調講演とあちらこちらに登場。東京を縦横無尽に駆け回り、“ビル・ゲイツ健在”をアピールした。(川井直樹(本紙副編集長)●取材/文)
精力的に講演会、イベントをこなした3日間
■急遽、東芝との提携会見に
6月27日、午後7時から東京・千代田区のホテルニューオータニで予定されていた、マイクロソフトの「インターネット技術革新の今後の展望に関する説明会」での講演の直前、事前に予定が明らかにされていなかった東芝との提携会見にゲイツ会長は臨んだ。
会見の冒頭、「ノートパソコンの普及で最も貢献してくれた東芝と協力関係を強固にできることは大変喜ばしいこと」と東芝を持ち上げるサービス。今回の発表では、次世代OS「ロングホーン」(開発コード名)を搭載したパソコンを共同開発するだけでなく、協業範囲をデジタル家電にまで拡大することを明らかにした。「ウインドウズCE」を搭載したHD DVDプレーヤーの共同開発も検討するというのがその内容だ。
提携内容を説明している間は、終始柔らかい表情で東芝との親密ぶりをアピール。しかし、次世代DVDの規格争いについては、東芝の西田厚聰社長が、「(今回の提携は)大きな後押しになる」と期待を表明する一方で、ゲイツ会長は「マイクロソフトはあくまで中立的な立場。『Xbox』の次世代機に搭載する規格もHD DVD以外にも検討していく」といくぶん距離を置く慎重さも見せた。次いで本命の講演に場所を変え、冒頭の約15分間でプレゼンテーションを行った。
東京都心でこの夏最高となる気温36.2度を記録した翌28日。ゲイツ会長は午前10時前に、東京・港区の草月会館に到着。午前10時から30分程度、シンポジウム「インターネット社会を迎えて市民に迫られる安全対策」で基調講演した。講演のなかで、警察庁情報通信局情報技術解析課と技術協力協定を結んだことを発表。そして、「セキュリティを確保するためには常に最新のソフトに更新し、最新のニュースに注意して知識を身につけるようにしておく」ことを訴え、さりげなく最新ソフトの購入促進もアピールした。
最後には、慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部と草月会館を中継回線で結び、生徒たちからの英語での質問に笑顔で丁寧に答えるセッションもこなした。
それが終わるや、近くのホテルニューオータニに移動。午前11時半から予定されていた日本における産学連携の取り組みに関する記者会見に“5分遅れ”で登場。
会見では、「当社の優れている点と大学の優れている点を組み合わせることで技術革新を起こせる」、「大学との連携で新しい技術を生み出すというモデルを日本で成功させ、他の地域でも活用していく」などと訴え、終始意気込んで話していた。
■「来日するたびに精力的に動き回る」
28日はぐんぐん上昇する気温をよそに、午後からも精力的に都内を移動。早稲田大学で講演を行い、夜には都内のホテルで、マイクロソフト日本法人の初代社長を務め、執行役最高技術責任者兼米マイクロソフト副社長を最後に6月30日付で退社した古川亨氏の“卒業式”に発起人として出席。古川氏との昔のエピソードを語ったり、旧知のIT業界関係者など出席者と和やかに談笑していた。
暑さが残る翌29日。東京・有明のビッグサイトで開かれた「ソフトウエア開発環境展/データウェアハウス&CRM EXPO」の初日、午前10時半から11時半まで1時間にわたって基調講演。会場は満員の大盛況。「.NETは世界トップ企業の90%が利用している」と強調し、.NETをベースにしたBI(ビジネスインテリジェンス)戦略の強化を示唆した。その後帰国の途に。
マイクロソフト関係者によれば、「来日するたびに精力的に動き回る」のがゲイツ会長のスタイルだとか。しかし、今回ばかりは「いつもよりは少し多く、あちこち登場していた」という。少なくとも講演などに集まった聴衆には疲れた様子も見せず、“ビル・ゲイツ健在”ぶりをアピール。何がこうまで彼を走らせたかはわからない。異常な暑さのなか、ご当人も疲れたかもしれないが、“追っかけ”も相当応えた。
6月27日、約2年半ぶりにマイクロソフトのビル・ゲイツ会長兼チーフソフトウェアアーキテクトが来日した。前回、2003年2月の来日では、経済産業省や総務省、文部科学省をはじめとする官公庁などを訪問し、マスコミや一般の前に出てくる機会は少なかった。ところが今回は、マイクロソフトのビジネス戦略に関する記者会見、講演会、ITイベントでの基調講演とあちらこちらに登場。東京を縦横無尽に駆け回り、“ビル・ゲイツ健在”をアピールした。(川井直樹(本紙副編集長)●取材/文)
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