3つの人材戦略で臨む

少子高齢化が急ピッチで進む5年後の情報サービス産業で勝ち残るには、“人材戦略”が最も重要である。
今、考えている人材戦略は3つ。まず、シニア層の積極的な活用だ。55歳で定年退職した社員を再雇用し、これまでの経験を生かせる仕事をしてもらう。
週5日勤務でなくても、週3日でいい。勤務時間も昼夜問わずシフトを組めるようにする。
2つ目が、中堅・若手の意欲ある社員に新規事業を任せる。当社は約3000人の社員がいるが、例えば、このうち30人チームで10個の新規事業を立ち上げる。
約1割の人材が既存ビジネスから抜けるため、残りの人材は、1割の戦力ダウンを必死に補おうとして自発的行動に出る。これが3つ目である。
要は、社員全員の“やる気”を、どこまで引き出せるかだ。単に「給料を抑える」、「人員を整理する」などの後ろ向きな政策ではダメ。社員の“総合的な利益”を拡大しつつ、コストを下げる方策が求められている。
正社員、契約社員、派遣社員など、スタイルに合わせた多様な雇用形態を整備する。
例えば、子供がまだ小さい社員は、高給で実績をあげてもらう。子供が自立したあとの社員は、休暇や勤務時間など、人生にゆとりをもてる雇用形態を選択できるようにする。これにより、給料だけでなく、生活の豊かさなど“総合的な利益”を得てもらうことで、やる気を引き出そうという考え方だ。