その他
2002年、ホームサーバーの時代 個人向けPC市場の起爆剤
2002/01/07 15:00
週刊BCN 2002年01月07日vol.923掲載
需要の低迷で厳しい打撃を被った昨年の個人向けパソコン市場。メーカー各社の提案力も決定打に欠けた。しかし、パソコンメーカー首脳陣の2002年に対する見通しは明るい。ブロードバンド、ワイヤレスというキーワードに象徴されるネットワーク環境の普及は、個人需要を促進する新たな製品の登場を予感させる。その中心的存在がホームサーバーだ。今年はホームサーバー製品がいよいよ市場に登場し、家庭内ネットワーク時代の幕が開く。
NECは、昨年の「WORLD PC EXPO 2001」で、ホームサーバー「NetCruiser」(開発コード名)を参考出品した。これは、地上波や衛星放送の番組を内蔵ハードディスクに録画し、その映像をテレビやパソコンで視聴できる。ベースはパソコンで、ビデオと音声の入出力、地上波、衛星放送の入力が可能である。 他社に先駆けて、「製品」として具体化させつつあるのはソニー。パソコンと連動して使用する「無線テレビ」システムを商品化し、02年に発売する予定だ。ベースは同社のテレビ「ベガ」。パソコン「バイオ」やハードディスク内蔵記録装置「ギガポケット」、無線LANを連結したシステムとしても販売する計画でいる。32型テレビとのセットで40-50万円程度になる見通しだが、単品でも販売する。 「02年以降は、パソコンの買い替えサイクルに当たる年」(メーカー)であり、また03年には地上波デジタル放送も始まる。さらにはIPv6への期待などで、家庭内のパソコン、家電製品、AV(音響・映像)機器を統合するホームサーバーの登場を切望する機運が高まってきた。高速・大容量のブロードバンド網、家庭内ワイヤレス環境にも弾みがつきつつある。 ホームサーバーの製品化では、NEC、ソニーが先行している。ただ、従来、国内パソコン市場で後塵を拝してきた松下電器産業、東芝、日立製作所、三菱電機などの家電メーカーの攻勢も見逃せない。 電子情報技術産業協会(JEITA)は、経済産業省予算で実施する「住宅分野の情報システム共通基盤整備事業」において、家庭内のデジタル化、ネットワーク化を実現するシステムの開発を急いでいる。 そのなかで、松下電器は、IEEE1394ネットワークでテレビやパソコン、電灯線をネットワークインフラとして使用する「ECHONET」(家電メーカーを中心に100社でコンソーシアムを結成)で家庭内の電化製品を接続するソリューションの確立を急ぎ、東芝はBluetooth、IEEE802.11b、IEEE1394などでAV、家電製品を接続。日立はBluetoothでホームゲートウェイと接続した家電製品をインターネットを介してサービスサイトと接続するシステムを開発している。三菱電機では、宅外からパソコンや携帯電話を使ってインターネット経由でホームサーバーに接続し、宅内の家電製品の連携制御を行うシステムを開発中だ。 ホームサーバー市場の本格的な立ち上がり自体は04-05年という見方が多いが、各社各様の戦略が具体化し始め、マーケットの形成がスタートするのは今年から。 2002年は、パソコン市場の新たな局面が動き始める年になりそうだ
需要の低迷で厳しい打撃を被った昨年の個人向けパソコン市場。メーカー各社の提案力も決定打に欠けた。しかし、パソコンメーカー首脳陣の2002年に対する見通しは明るい。ブロードバンド、ワイヤレスというキーワードに象徴されるネットワーク環境の普及は、個人需要を促進する新たな製品の登場を予感させる。その中心的存在がホームサーバーだ。今年はホームサーバー製品がいよいよ市場に登場し、家庭内ネットワーク時代の幕が開く。
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