これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ACES・田村浩一郎代表取締役」を取材しました。
人とAIの協働
日本の生産性を改善したい。人口が減り続ける一方で、社会にはいまだに多くの非効率が存在する。例えば、営業においては顧客と向き合う時間をどれだけ増やせるかが重要であるにもかかわらず、議事録づくりといった作業に追われるケースは少なくない。
自社の支援によって、人とAIが「協働」するビジネスプロセスをつくれれば、非効率な業務に忙殺されない働き方につながる。その先には、人の働き方に「余白」のある社会が生まれるはずだ。この余白は、さらなる成長のために使ってもいいし、余暇に当ててもいい。何を描くか。どんな色をつけるか。それは自由だ。
エースが集まる会社
事業のかじ取りをする上で、「イシュードリブン」を意識している。テクノロジーから入ると、顧客に対する「押しつけ」にもなりかねない。人とAIが協働するプロセスを実装するために重要なのは、人が何を考えていて、どのような課題があるのかなどのイシューから始めることだ。
自社は社名の通り「エースが集まる会社」だと自負する。論理的に考えられるだけでなく、気合や根性も持ち合わせた「体育会系ソクラテス」として、イシューを見極められる人材がそろっている。社会を変えたいと考えたとき、変化を起こす主体は必ず人であり、テクノロジーではない。だからこそ、人の気合や根性は、事業において全ての部分に関わる。
日本一の事業投資家に
AIのポテンシャルに大きな期待が集まる時代となった。会社としても個人としても、AIの可能性に賭けている。「日本一の資本家になりたい」。高校生のころからの夢がだんだんと具体化してきたと感じている。目指しているのは「AI時代における日本一の事業投資家」だ。そして「資本主義のゲームの中で、最も楽しく生きた人として死にたい」
プロフィール
田村 浩一郎
1993年、東京都生まれ。2017年に東京大学を卒業し、東京大学大学院修士課程に入学。同年にACESを創業。22年東京大学大学院博士課程を修了。
会社紹介
東京大学松尾研究室発のAIスタートアップ。自社開発したAIを活用してDX支援を行う「DXパートナーサービス」と、営業活動のデジタル化支援のプロダクト「ACES Meet」を展開している。