これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「アスエネ・西和田浩平代表取締役CEO」を取材しました。
社会全体を巻き込みたい
気候変動などの環境課題にテクノロジーでアプローチする「クライメートテック」事業を展開する。環境への取り組みといえば、ボランティア活動が一般的だが、続けるためには苦労も多い。環境改善に資することを推進し続けるには「ビジネスとして成立させ、生まれた利益で事業を継続させること」が最適解とみる。
環境に向き合う行動に経済的なインセンティブを生み出す仕組みを確立できれば、社会全体の意識を変えられるかもしれない。そのためにも、ビジネスを拡大し、より多くの人々を巻き込んでいきたいと考える。
子どもたちによりよい世界を
学生時代に憧れのミュージシャンが環境団体などに投資や融資をしていることを知り、自身も環境問題に興味を持つようになった。そして今、二人の子を育てる身として、子どもたちの将来を考えたとき、やはり環境問題は避けて通れない重要な課題だ。
気候変動が進めば、災害の規模や発生率を高める可能性があり、子どもたちが生きる未来に大きな影響を及ぼす懸念がある。「次世代にとって、よりよい世界を実現するための事業を展開したい」。それがモチベーションとなっている。
社長にふさわしい存在へ
11月には海外展開を開始した。あくまで事業を成功させるということだけで考えれば、人員や拠点を増やす必要はないともいえるが「世界で勝ち抜ける企業にする」ために、まだまだ手を緩めるつもりはない。
目標の達成に向けて「自分が何をすべきか、常に自問自答している」。経営者には叱ってくれる人がいない。だからこそ、自ら学び、スキルアップすることが求められる。むしろ、その姿勢がなければ、社長としてふさわしい存在にはなれないだろう。世界最先端のテクノロジーから組織づくりの方法まで、あらゆることを貪欲に吸収する。会社とともに自身も成長するために、努力は惜しまない。
プロフィール
西和田 浩平
1985年生まれ。慶應義塾大学卒業後、三井物産で日本・欧州・中南米の再生可能エネルギーの新規事業投資・M&Aを担当。ブラジル赴任中に分散型電源企業への出向や、ブラジルの分散型太陽光小売ベンチャーへの出資、メキシコでの太陽光入札の受注、日本で太陽光ファンドの組成などを経験。2019年、アスエネを創業。
会社紹介
CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス「アスゼロ」や、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)コンサルティングなど脱炭素に関連するソリューションを提供する。