自身の開発ツールが課題を解決
CGクリエイターを目指し専門学校に進学したが、情報処理資格取得をきっかけにIT業界に進むことを決意、地元のハウスメーカーに就職し、情報システム部門に在籍した。その後、富士通エフサスに転職。数多くの現場のプロジェクトマネジメントを経験しキャリアを磨いた。
一方で、大手企業特有の課題も感じていた。特に拠点ごとに設計書や提案書を独自に作成していたため、社内全体で情報共有が十分にできていない点を不便に思ったことから、自身で情報共有ツールを企画・開発した。社内に公開したところ、大きなニーズがあり、5000人以上の社員が利用した。「ソフトウェアを創造することに大きな可能性を感じる出来事だった」と振り返る。
思いをかたちにするため起業
インプリムが提供するローコード開発プラットフォーム「Pleasanter(プリザンター)」もマネジメントを快適にしたいという思いから開発した。休日などを利用して作業を行い、2年間かけて1人で作り上げた。「好きな仕事ということもあり、大変だったという思いはなかった」と話す。
社内で利用することを目的として開発したPleasanterだが、「『マネジメント快適化』というコンセプトを世の中に広げたい。そして、ソフトウェアの価値を最大化させたいという思いが強くなった。それを実現させる方法が起業だった」と語る。
物事の本質を理解できる組織に
課題と向き合い本質を追求することで、多くの成功を経験してきた。組織作りにおいても「物事の理由に関心を持てる組織」であることを重視している。普段から「なぜ、お客様は製品の導入を決めたのか、なぜ、この新しい技術は誕生したのかなど、社員が物事の本質を正しく理解して行動できるよう深く議論を重ねている」。
国内企業ではいまだに長時間労働など働き方が問題となっている。マネジメント快適化によりこの習慣を変え、人々が人間らしく快適に働ける環境を作ることが目標だ。マネジメントの課題はどこにあるのか。これからも社員とともに探っていく。
プロフィール
内田太志
1973年、宮城県生まれ。地元のハウスメーカーの情報システム部門勤務を経て、98年2月に富士通エフサスに入社。19年間プロジェクトマネジメントに従事。2017年3月にインプリムを設立した。
会社紹介
ローコード開発プラットフォーム「Pleasanter(プリザンター)」を提供。顧客管理、案件管理、資産管理など幅広い用途のアプリを容易に作成が可能。