業界特有の課題を実感
学生の頃から「経営者になりたい」と考えていた。大学卒業後、まずは社会経験を積むために会社員の道を選んだ。就職したのは大手不動産会社。不動産業界に足を踏み入れることに大きな理由はなかった。
働いていく中で「不動産業界は物件情報や顧客情報のデータ化などが進んでおらず、属人的なプロセスが多い」と実感した。営業電話や紙中心のアナログさ、不動産価格の不透明さといった業界特有の課題を目の当たりにした。慣習を刷新し「お客様がもっと幸せになるようにしたい」と考えたことが起業のきっかけになった。
テクノロジーと人の力で顧客価値を向上
「テクノロジーの力によるオープンな情報で、不動産をもっと身近にして顧客体験を変えていきたい」。そんな思いから、AIによる不動産の売却価格査定・買取サービス「FANTAS check」、不動産投資型クラウドファンディング「FANTAS funding」、空き家情報を提供する「FANTAS repro」などを提供。複数のサービスを集結したプラットフォーム「FANTAS platform」も展開し、会員数は7万人を超える。「テクノロジーの力」に加え「人(社員)の力も顧客価値の向上につながっている」と力を込める。
不動産をもっと身近に
プラットフォームの会員数は右肩上がりで伸びているが「不動産取引に関して、日本はまだまだ身近とはいえない。特に不動産投資は認知度が低く、海外のように当たり前ではない」とみる。
日本では「老後2000万円問題」や「人生100年時代」などがうたわれている。「常識や慣習に縛られて起こる閉塞感を打ち破って課題を解決していく」。今後も、テクノロジーと人の力を強め、誰でも気軽に利用できるサービスを追求していく。
プロフィール
國師康平
1982年1月22日生まれ。近畿大学理工学部を卒業後、大手不動産会社に就職、5年間実務や管理職を経験。不動産業界が抱える課題の解決を目指し、2010年2月、FANTAS technologyを創業。
会社紹介
不動産の購入・売却・投資の領域でデータとユーザーをマッチングするプラットフォーム「FANTAS platform」を提供。