価値至上主義
経営者になりたいわけではなかった。ただ、社会的な「価値」を生み出せる道を追い求めた結果、たどり着いた先が起業だった。今でも価値の創出に最も重きを置く。「価値至上主義。世の中やパートナー、お客様にとっての価値を最大化することを目指す」
それは自社が社会に存在する目的、意義を常に問い続ける行為とも言える。「できることは無数にあり、永久にチャレンジできる」。目標の達成に興味はなく、挑み続ける行為そのものがたまらなく楽しい。そんなふうに映る。
「新しいものが生まれ、定着して、当たり前になる。その積み重ねが時代をつくる。時代を変化させるプロダクトやサービスを、自分が生きている間ずっと生み出し続けられれば、それが最も幸せなこと。同じ熱量を持った仲間と挑戦したい」
企業を「つなぐ」存在に
ID連携や認証、権利取引を核とするデジタルコネクトプラットフォーム「bitkey platform」を基に、外部のあらゆるプロダクトやサービスを結ぶ。さらに視野を広げれば、企業自体を「つなぐ」未来が浮かんでくる。
「日本の大手やエスタブリッシュな企業にはアセットや中長期的にしか獲得できないノウハウ、技術が明確にある。それを現代的に生かしてつなぎ、総力戦に変えるための役割を果たす。総合力で勝負すれば、テックジャイアントを越えられる可能性は十分にある」
常にフラットに、最適な打ち手を
昔から物事に幅広く関心を持ち、高度なレベルで学び、実践することに喜びを覚えるタイプだった。ただし、身に付けたスキルや知識に固執はしない。「得たものが逆にバイアスとなり、役に立たないこともある」からだ。多様な事業領域、市場を縦横無尽に駆け回りながらも、常にフラットな姿勢で、局面に応じて最適な打ち手を瞬時に引き出していく。
理想は「無限に変化」していくこと。その先には無限の成長が待っている。
プロフィール
江尻祐樹
1985年生まれ。大学時代は建築、デザインを学び、2008年リンクアンドモチベーショングループ入社。09年末からワークスアプリケーションズ。業務コンサルタント経験のみならず、人事、会計、サプライチェーン、EC、ID管理など幅広い経験と知識を習得。「bitkey platform」のコンセプト設計からシステムアーキテクチャー・アルゴリズム設計も手掛けている。
会社紹介
自社で企画・設計・開発したデジタルコネクトプラットフォーム「bitkey platform」をコアテクノロジーとし、多種多様なプロダクト・サービスと連携する認証・デジタルキーソリューションなどを展開。スマートロック「bitlock」シリーズが有名。2018年創業で、江尻氏のほか、共同創業者である福澤匡規COO、寳槻昌則CCOの両氏も代表取締役を務める。