BCNアナリストの店頭市況
<BCNアナリスト道越一郎の「家電なんでも分析」>ユーザーの44%が自動運転の購入意向「車は高度なIT機器」の視点必要
2015/11/26 16:51
週刊BCN 2015年11月23日vol.1605掲載
日産自動車が「IDS Concept」、メルセデスが「F 015」に次ぐ「Vision Tokyo」を発表したものの、自動運転技術や機器の具体的説明、実際に路上を走る映像などの展示は少なく、取り扱いはきわめて地味だった。自動運転車に対してはまだまだ未来の車という、遠慮した空気が感じられた。
ボストンコンサルティンググループが9月に発表した調査結果では、完全自動運転車の購入意向について「是非、購入したい」が15%、「どちらかと言えば購入したい」が29%と、44%と半数近くが購入意向を示した。自動運転車に対する関心と期待は高く、モーターショーの雰囲気とは対照的だ。
自工会では、2030年ごろ完全自動運転が普及期に突入すると試算しているが、スピード感が足りない。世界の主要自動車メーカーがターゲットに据える中国市場では、ある程度技術が整えば法整備などは一気に進む可能性が高い。車を極めて高度なIT機器として再定義し、自動車メーカーとIT企業が枠を超えて融合しながら連携しなければ、次世代自動車市場での日本企業の生き残りは難しいだろう。
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