BCNアナリストの店頭市況
<BCNアナリスト道越一郎の「家電なんでも分析」>停滞続くインクジェットプリンタ 新製品で巻き返しなるか?
2015/09/17 16:51
週刊BCN 2015年09月14日vol.1595掲載
現在までのメーカー別販売動向をみると、キヤノンとエプソンの2社で販売台数シェア8割前後を占める寡占状態が続いている。8月のシェアではキヤノンが45.2%とトップで、エプソンが37.3%と続く。この2社に割って入ろうとしているのが、最後発のブラザーで、シェアは10.8%だ。
年間シェア15%を目標としているが、2ケタシェアが安定的に確保できるようになってきており、年末商戦の結果しだいでは、目標に手が届きそうだ。
インクジェットプリンタ市場の現状は、機能の進化に行き詰まり感があり、デフレ状態が続いてきた。販売台数は前年を下回る場面が多く、市場は停滞気味。値下げで販売台数の落ち込みをカバーした結果、販売金額は17か月連続で前年を割れている。
多くのデジタル家電で平均単価が上昇しているなか、インクジェットプリンタは単価下落が続いている。新規購入や買い換えを促す要素が乏しかったのがその一因だった。停滞している市場をどこまで活性化できるかは、今回、上位3社がとった戦略の成否にかかっている。
- 1