気になるアイテムを徹底分析

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――ロボット掃除機(2)

2015/07/02 16:51

週刊BCN 2015年06月29日vol.1585掲載

アベルネット 久保明夫 営業部チーフ(左)、井上亨 事業部チーフ

床の掃除だけでなく、さまざまな用途で使えるようになることを期待

 ロボット掃除機の販売は、実店舗だけでなく、ネット通販でも順調に推移している。

 低価格の通販サイトとして知名度が高いアベルネットを運営しているPCボンバーでは、ロボット掃除機が収益を高めることができる商品の一つになっている。アベルネットで仕入れを担当する久保明夫・営業部チーフは、「新興企業の参入によって製品が充実してきたことが伸びている要因」としている。マーケットと同様、最も人気が高いのは米アイロボットが提供している「ルンバ」だが、最近では「シャープの『COCOROBO』も売れている」そうだ。今秋には、ダイソンがロボット掃除機を発売することを表明している。久保チーフは、「さまざまなメーカーの製品が出てくるのは、マーケットが活性化するうえでも喜ばしいこと」としている。

 ユーザーは30代や40代の主婦が多く、「小さな子どもがいて、幼稚園や保育園の送り迎えの合間など、家を留守にしているときに利用するという用途で購入してもらっている」と井上亨・事業部チーフは説明する。しかも、「圧倒的に新規のお客様が多い」(同)という。ネット通販にとっては、ロボット掃除機が顧客を増やすアイテムでもあるようだ。地域については、「都市部でマンション住まいのお客様が多い」とのことだ。

 価格は、「上位機種のほうが売れる」(井上チーフ)という。PCボンバーでは仕入れを工夫することによって、他社よりも安い価格で販売することを実現している。数多くあるネット通販のなかでも低価格を武器にしてロボット掃除機を売っているようだ。

 久保チーフは、「今のロボット掃除機はランダムな動きをみせるなど、進化している。そのため、新規で購入するお客様が増えているのではないか」と分析する。また、井上チーフは「平日は使うものの、休日には床移動式の掃除機でしっかりと掃除するなど、メインマシンで使うのではなく、あくまでもサブマシンで使うというのが、今の主流の使い方。買い増しで購入している人が多いのも売れている要因」という。そのため、ロボット掃除機の成長に伴って床移動式の掃除機も売れているという。なかでも、「吸引力のすぐれたサイクロン掃除機は爆発的に売れている状況。売上成長率は、ロボット掃除機よりも高い」(同)とのことだ。

 さらに、特定用途の掃除機も順調に伸びているという。「ふとんのダニをとるためのふとんクリーナー、車内を掃除するためのハンディ式クリーナーなどは人気が高い」と井上チーフは売れ筋を挙げる。特定用途という意味では、「窓ガラスやお風呂、クルマの天井など特定の場所を自動的に掃除してくれる製品が登場すれば、さらに活性化するのではないか」と期待を寄せる。

ウェブサイト「PCボンバー」ではロボット掃除機が人気商品の一つ
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