店頭流通

<気になるアイテムを徹底分析>店舗スタッフに聞く売れ筋商品――ウェアラブル端末(1)

2015/05/21 17:00

週刊BCN 2015年05月18日vol.1579掲載

ビックカメラ渋谷東口店別館
小野里美氏

ウォッチ型やリストバンド型などタイプによって、お客様の層や用途が異なる
 アップルが腕時計型デバイスの「Apple Watch」を発売したことによって、注目を集めているウェアラブル端末。実際、ユーザーはどのような用途で使っているのだろうか。

 ビックカメラ渋谷東口店別館では、渋谷最大級のショップインショップの「Apple Shop」でApple Watchを取り扱っているほか、ほかのメーカーのウェアラブル端末も専門コーナーを設けて販売している。Apple WatchについてはMacやiPhoneのヘビーユーザーなどのアップルファンが購入する傾向が高いが、「ウェアラブル端末は、タイプ(デザイン)やメーカーによって、お客様の層や用途がまったく異なってくる」と、1階携帯コーナー担当の小野里美氏は説明する。

 ビックカメラ渋谷東口店別館では、ウェアラブル端末コーナーで「ウォッチタイプ」「リストバンドタイプ」「クリップタイプ」という3種類のタイプを展示している。ウォッチタイプは、「男性の会社員で、パソコンなどコンピュータに比較的詳しい方が購入する傾向が高い」としており、スマートフォンと連動させて使うケースが多いという。リストバンドタイプは、「スポーツを趣味にしている方で、男性のお客様が多いけれども、女性の方も購入されている」としている。また、ウォッチタイプと比べると、年齢は若いほうだという。用途は、スポーツとカロリー計算を組み合わせた健康管理が多いようだ。クリップタイプは、歩数計の進化形という位置づけで「3タイプのなかでは比較的高齢の方が購入されるケースが多い」とのこと。用途は日々のウォーキングによる健康管理だ。このような状況から、ウェアラブル端末のユーザーは非常に幅広く、タイプによって用途が異なってくるため、「さまざまな人たちをお客様として獲得できる商品」と、小野氏は捉えている。

 人気のあるメーカーに偏りはなく、ウォッチタイプやリストバンドタイプでソニーやエプソン、クリップタイプでオムロンなど、以前からウェアラブル端末を発売している国内メーカーや、最近ではスマートフォンの「Galaxy」と連携できるサムスン製の次世代ウェアラブル「Gear」なども購入者が増えている。さらに、ヘルス/フィットネス向けのウェアラブル端末を発売しているFitbitも、デザインなどで若者から支持を得ているようだ。

 クリップタイプが歩数計の進化形といわれているように、ウェアラブル端末の由来は、「お客様のメジャーな用途を踏まえると、健康器具や理美容品から派生したジャンル」と小野氏はいう。「黒物」と呼ばれるこれまでのデジタル機器とは異なって、「新しいジャンルとして浸透することに期待したい」との考えを示す。ビックカメラ渋谷東口店別館では、ウェアラブル端末をなじみ深い商品としてアピールしていく。

ビックカメラ渋谷東口店別館ではウェアラブル端末を充実させた専門のコーナーを設置している
  • 1