地域No.1店舗の売れる秘訣
<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>ヨドバシカメラ マルチメディア梅田――全国No.1店舗の呼び声 大阪駅前の活性化に寄与
2015/03/19 18:44
週刊BCN 2015年03月16日vol.1571掲載
チームワークで顧客満足度を高める 将来的には増床の計画も
ヨドバシ梅田内で地下2階から地上4階までを占めるマルチメディア梅田は、売り場面積2万m2規模と全国の家電量販店のなかでも屈指の大型店舗。各フロアとも通路を広く確保しながら、デジタル機器や白物家電に関して「マルチメディア梅田にないものはない」と来店者から評価を受けるほどの品揃えだ。1フロアだけでも売り場面積が3000m2以上と中型店舗並み。連日、多くの来店者で賑わっていることから、なかには購入したい商品のコーナーにたどり着けずに迷ってしまう人が出ることも心配される。そのため、「POPには気を配っている」(櫛部店長)とのことだ。どこに何が置いてあるかがわかるよう、商品の場所を矢印で指し示す看板が天井に吊るしてある。これによって、広い店内でも効率的に来店客が行きたいコーナーまでたどりつけるようにしている。スタッフにはアイテムごとに担当分野があって、コーナーや関連アイテムなどでチーム制を敷いている。「チームワークで接客していることが、お客様の満足度を高めている」と、櫛部店長は自信をみせる。例えば、デジタルカメラを購入したいお客様に対して、まずは本体担当のスタッフが機能面や用途などを説明する。関連商品が話題になれば、その担当のスタッフも顧客の元に駆けつけて接客する。一人の顧客に対して、2~3人体制で接客するケースもある。顧客にとっては、商品について、さまざまな角度から何でもスタッフに聞けるというメリットがある。店側も、「特定の商品に精通したスタッフが応対するため、お客様にストレスを感じさせない効率的な接客を行うことができる」(櫛部店長)。顧客一人あたりの購入単価を上げることにもつながっているようだ。もちろん、さまざまな商品に長けたスタッフも配置していて、臨機応変な接客スタイルを採っている。
ヨドバシカメラにとって初の取り組みでマルチメディア梅田が行ったのは、ネットで注文した商品を店舗で受け取る際に営業時間外でも対応するサービスだ。24時間受け取ることが可能。櫛部店長は、「忙しい会社員の方から『出勤前や夜遅くの帰宅途中でも受け取れて便利』との声をいただいている」と、高い評価を受けていることをアピールする。
マルチメディア梅田は、家電量販業界にとって初の試みにも挑戦した。現金値引きが根づいている大阪で、ポイント還元を行ったのだ。いまではあたりまえのように顧客がポイントカードを利用している。「地道に取り組んできたからこそ根づいたのではないか」と、櫛部店長は捉えている。近い将来、ヨドバシカメラは現時点で平面駐車場になっている敷地にビルを建て、マルチメディア梅田の増床を計画している。
・群を抜く圧倒的な品揃え
・目的の商品までたどり着きやすい案内
・チーム制による顧客満足度を高める接客