地域No.1店舗の売れる秘訣
<地域No.1店舗の売れる秘訣 あの人気店はこうしてつくられた>ノジマ横須賀店 ――自社運営のモールに初出店 ショッピング開発エリアでシェア拡大へ
2014/09/25 18:44
週刊BCN 2014年09月22日vol.1547掲載
ノジマ横須賀店
住所:神奈川県横須賀市平成町3-28-2 nojimaモール横須賀2F
オープン日:2014年6月25日
売り場面積:約4960m2
従業員数:約80人
【責任者が語る人気の理由】
本部で仕入れや物流の業務に従事し、小田原市の店舗でスタッフとして現場を経験した。このノウハウを生かすよう、自社運営のショッピングモールというノジマにとって初の試みのなかで、ノジマモール横須賀の館長とノジマ横須賀店の店長を任されることになった。
「オープンからまだ間もないこともあって、課題は多い」という。一番の課題は、まだリピーターが少ないこと。ノジマの本拠地である神奈川県に住んでいて、会員ではなかったということは、これまでは他店を利用していたことになる。「ブランドは浸透している。次のステップは、この地区でファンを増やすこと」と意欲を燃やす。
再開発が進む横須賀臨港地区 買い物客が集まる地域に出店
神奈川県横須賀市の平成町周辺は、海岸沿いのうみかぜ公園から、東京湾や猿島などを見渡すことができる風光明媚な臨港地区だ。横須賀市が「海辺の複合リゾート都市」を目標に掲げて、職・住・遊・学が融合したまちづくりを進めた結果、高層マンションが建ち並び、他地域からの転入者や県立保健福祉大学の学生で賑わう街として発展しつつある。交通は、国道16号やよこすか海岸通りなどが走り、近くに京急線の横須賀中央駅や県立大学駅がある。「遊」であるショッピング関連でも、多くの企業が進出している。平成町周辺には、西友が運営する大型スーパーのリヴィンよこすか店、島忠ホームセンターのホームズ横須賀店、スーパーセンターのエイヴイ平成町店などの出店が相次いだ。家電量販店は、コジマNEW横須賀店が今年2月にコジマ×ビックカメラ横須賀店にリニューアル。ヤマダ電機も、今年テックランドNew横須賀店をオープンしている。そして6月25日、ノジマが初の試みとなる自社運営のショッピングモールとしてノジマモール横須賀をオープンした。
ノジマモール横須賀は、敷地面積が1万4777m2、759台収容の駐車場を完備する。モールの1階部分には、玩具・ベビー用品のトイザらス・ベビーザらス、ドラッグストアのサンドラッグ、スーパーの三和、飲食店の住よしが出店している。2階部分には衣料品のしまむら、そして自社店舗のノジマ横須賀店がある。
モールの館長であり、ノジマ横須賀店の店長も兼ねる佐藤丈三執行役は、「オープンから順調。ショッピングエリアでの出店ということで、休日には渋滞ができるほどだ」と自信を口にする。
品揃えはノジマ最大規模 中立の情報を提供する接客
ノジマ横須賀店の売り場面積は約4960m2で、ノジマのなかではトップスリーに入る大型店舗だ。品揃えは最大規模を誇る。佐藤執行役は、「リゾート都市には、最先端の商品がふさわしい。最新機種をいち早く並べて販売するようにしている」と、横須賀の地域特性に合わせた戦略を語る。また、「商圏は半径10km前後を想定している。幅広い客層に対応できるよう、上位機種から下位機種まで、何でも揃っていることも強みだ」という。白物家電のなかでも、エアコンは壁一面にずらりと商品を展示。佐藤執行役は、「オープニングセールでは、エアコンが爆発的に売れた。6月という季節的な要因もあるが、展示機種が豊富なことにお客様が満足されていた」と、好調の要因が品揃えにあると分析する。平日・休日を問わず、幼児を連れて来店するお客様が多いことから、キッズスペースを2か所設置。ビジネスに直結しないスペースだが、「とにかくお子さんが多い。お客様がお子さんを自由に遊ばせて、しっかり商品説明を聞くことができる環境を整えたいと考えて2か所にした」という。また、「買い物に疲れた方が休憩できるように、売り場内の休憩用ベンチを他店よりも多く設置している」。このような取り組みは、「お客様が気軽に来店するようになり、間接的に収益を生むことにつながる」という。
デモンストレーションや接客で心がけているのは、「商品の本当のよさを伝えること」(佐藤執行役)だ。そのために、デモも接客も、新旧製品やライバル製品同士の機能比較に力を入れている。例えば、4Kテレビで新モデルと旧モデルを並べて画質の違いを訴えている。接客では、各メーカーの商品を徹底的に調べて、お客様に適した機種を提案。メーカー派遣スタッフが多い店舗では、派遣スタッフが自社製品だけを勧めるケースが多くみられるが、ノジマはアルバイトを含めて、すべてのスタッフを自社で採用している。商品の違いを中立の立場から説明しているという。「『違いを聞きたい』というお客様は非常に多い。その要望にしっかり応えるために勉強している」と佐藤執行役が言う通り、商品知識が豊富なスタッフによる接客が強みだ。オープンから日がたっていないことから、現在は新規のお客様が多いが、こうした接客によって「リピーターを増やしていく」(佐藤執行役)ことを目標に掲げる。
近くに競合店があって、今後は激しい競争を繰り広げることになるが、「自社運営モール内への出店という初の試みであることから、今回のビジネスモデルを必ず成功させる」と断言する。
・自社が運営するショッピングモールへの出店
・幼児の遊び場やベンチなど間接的に収益を生むスペースが充実
・中立の立場から製品を比較するデモや接客
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