家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~
<家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~>【広島・広島市】vol.3 接客・サービス ~接客重視で固定客を確保 来店頻度を高める取り組みも
2013/02/28 18:44
週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載
地元密着型の人材が揃う
エディオンを追う各量販店
広島本店
山田誠店長
LABI広島
高橋圭一副店長
広島インター緑井店
加藤竜治店長
原輝幸店長代理
広島商工センター店
田邊綱一店長
【接客】
高い接客スキルが基盤
研修で「売れるトーク」を学ぶ
家電製品の販売は、買いやすい売り場づくりとスタッフの接客がカギを握る。エディオン広島本店が「お客様がデモなどで体感したことをもとに、日常生活で使うシーンをイメージしていただくために、スタッフが言葉でわかりやすく説明する」(山田店長)ことを徹底するなど、広島市では接客を重視している家電量販店やパソコン専門店が多い。 エディオン広島本店では、パソコンコーナーで5年前など旧モデルと最新モデルを比較する展示など各コーナーで商品のよさを体感できるデモに力を入れている。さらに、「商品知識向上のため、主力商品を熟知する勉強会を実施している」(山田店長)という。主力商品は1か月単位で変わり、1か月あたり5アイテム程度。スタッフにはスタンプカードを配布して、「ラジオ体操のように出席したらスタンプを押していく」というやり方で、楽しみながら学べる環境をつくっている。また、「日々の勉強会では、優秀スタッフの接客をロールプレイング形式で学んでいる」という。このロールプレイングはスタッフが自発的に行っているそうで、「スタッフには、お客様に気持ちよく買い物をしていただきたいという気持ちがある。高いスキルを基盤に、お客様に満足していただける接客を行っている」と自慢する。実際の接客では、購入に結びつけるための接客の一つとして「高齢の方が多いことから、お客様に座っていただいて、しっかりと説明を聞いてもらう」という。
ヤマダ電機LABI広島でも、「お客様に座っていただいて、世間話をしながら接客する」(高橋副店長)という。スタッフの7割が地元出身者なので、「世間話で盛り上がって、また来店しようということで固定客になった方も多い」と笑顔をみせる。
コジマNEW広島インター緑井店では、昨年10月にビックカメラが得意とするデジタルカメラ関連機器の専門コーナーを設けた。この際、ビックカメラに研修に行ってトレーニングを受けたという。「(ビックカメラの店舗で)現場に立ってみてわかったのが売り方の違い」と、加藤店長は振り返る。具体的には、都市型と郊外型で接客のスピードに差があるということ。「ていねいに説明しながら、購入へと導く接客が身についた」ことを実感している。
【サポート・サービス】
来店を促すサービスが充実
買い替え需要を高める取り組みも
広島市では、来店促進のために、さまざまな工夫を凝らした家電量販店が多い。 エディオン広島本店では、ベンチやソファ、イスを設置しているだけでなく、コンセントとデスクがあるスペース、さらにはコーヒーを飲みながら談話できるサロンも用意している。「デジタル機器の購入だけでなく、お客様が少しでも長く店に滞在したいと思うサービスを充実させている」と、山田店長は説明する。さらに、デジタルカメラの撮影講座を実施する教室、料理教室を実施する「クッキングスタジオ」なども設置している。「クッキングスタジオでは、レストランのシェフが電子レンジやオーブンを使って家庭でも本格的な料理をつくることができる教室を実施しており、非常に好評」(山田店長)という。
パソコン専門店でも、近くの店にはないサービスカウンターによって来店者が増えている。パソコン工房広島商工センター店では、ソフマップとの協業によって設置している買取りセンター「U-FRONT」が好調。田邊店長は、「買取金額を元手に当社ブランドのパソコンを購入するお客様が多い」とアピールする。
- 1
関連記事
<家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~>【広島・広島市】vol.2 店舗 ~お客様の「体験」がポイント 固定客の確保にあの手この手
<家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~>【広島・広島市】vol.1 街の全体像 ~好条件が揃った地方中核都市 世帯数の増加で郊外が活性化
エディオン、2年後をめどにリサイクル事業に参入、事業会社を設立