家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~
<家電激戦区を歩く ~ライバル激突で何が起きているのか~>【福岡・福岡市】vol.3 接客・サービス ~常連客との信頼関係を築くコミュニケーション向上がカギ
2013/01/31 18:44
週刊BCN 2013年01月28日vol.1466掲載
地元住民から信頼される存在
カテゴリ横断の商品知識を習得
テックランド
博多本店
五十川総寿店長
テックランド博多本店のスタッフは約80人。これまで商品や分野ごとに専門を決めて知識を習得してきたが、「商品を横断する提案が必要になってきた。今は、各スタッフが担当するコーナーを定期的に変え、広い分野の商品知識をもつように育てている」という。お客様とのコミュニケーションが密になっただけでなく、「スタッフ間の横のつながりが強まった」という副次的な効果も出ている。
木村和馬店長
一方、法人顧客については、古くから勤務する吉澤規宏副店長を責任者に据えている。総勢6人のスタッフが、既存のお客様への対応を維持しながら、新規のお客様をリピーターとして確保する体制を整えている。
天神1号館
中村篤思主任
【接客】
元気で素直な姿勢が好評
長い接客時間で最適な一台を提案
ヤマダ電機テックランド博多本店のスタッフは、平均年齢が20代後半と若く、「ベテランとはいえない」(五十川店長)が、「小手先のトークではなく、元気一杯に、わかることは一生懸命に伝えて、わからない時は素直に謝ることができる人材が揃っている」という。また、さまざまな商品の知識を習得する教育に切り替えたことで各スタッフの説明スキルが向上し、お客様とのコミュニケーションも日に日に深まっている。 テックランド博多本店が、お客様とのコミュニケーションに力を入れているのは、近隣の他店よりも長い1998年のオープンで、すでに地元住民から高い信頼を得ているからだ。五十川店長は、「スタッフがお客様のお子さんと同年代の場合もある。スタッフが偉そうに商品知識をアピールしたり、客単価を高めるために上位機種をすすめたりするようでは、せっかくここまで培ってきたお客様の信頼を失ってしまう。それぞれのお客様にとってどれが最適な商品なのかを考え、素直な気持ちで接することが大切だ」という。このような接客で、結果として、お客様が価格で選ぶのではなく、自分のライフスタイルに合った商品を選ぶことで、客単価が上がることもあるようだ。
長い接客時間で、確実にお客様の求めるパソコンを提供しているのが、ドスパラ博多店だ。自社ブランドの「Galleria(ガレリア)」はBTOパソコン。お客様の使い方に合ったパーツと仕様に組み上げて販売する。「当店で購入したパソコンを、お客様が『今までで最高』と言ってくださるのが何よりもうれしい」と、木村店長はいう。コミュニケーションの時間が長ければお客様との距離が縮まり、リピーターとして次の来店が期待できるのだ。
【サポート・サービス】
他店で購入したパソコンも修理
買い取りで新規購入を提案
「パソコンが動かなくなったが、故障なのか、寿命なのかがわからない」というパソコンユーザーは多い。こうした層に向けて的確なサポートサービスを提供しているのが、ドスパラ博多店だ。全国の店舗で提供している500円の簡易診断「ワンコイン診断」でパソコンの状態を調べてから、修理に取り組むことでお客様の信頼を得ている。メーカー製など他店で購入したパソコンの修理にも対応し、お客様から要望があれば、どんな状態のパソコンでも店舗で確実に修理する。店舗スタッフが修理を担当するので、修理後に故障した原因を細かく説明して、さらには対策も教えている。木村店長は、「多くのお客様が当店に修理を任せてくださる」と笑顔をみせる。 - 1
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