時の人
<インタビュー・時の人>パラレルス デスクトップ事業部長 宮田 誠
2012/09/13 18:44
週刊BCN 2012年09月10日vol.1447掲載
MacとWindowsに対応する仮想化ソフト
BYODの動きで法人市場への進出を狙う
Q. 最新版「Parallels Desktop 8 for Mac」の最大の売りは? A. MacとWindowsの新OSに対応している点だ。今秋発売されるWindows 8は、指でタッチ操作できるなど、UIが一新されている。Macの超高解像度ディスプレイ「Retina Display」で、Windows 8のアプリケーションが使えるようになるのが最大の売りだ。
Q. しかし、Macは指でのタッチ操作に対応していない。
A. Macユーザーの多くが使っているiPadに「Parallels Mobile」を入れてもらえば、「Parallels Desktop for Mac」と連携して、Windowsのアプリケーションをタッチ操作で使うことができるようになる。MacとWindows両方のOSが使えるよさを伝え、「Parallels Mobile」でパソコンとタブレット端末の連携を訴えていく。
Q. 販売はダウンロードが主体なのか。
A. ダウンロード販売は伸びているが、家電量販店やApple Storeなど、店頭販売が過半数を超えている。iPadで初めてアップル製品に触れたユーザーには、高校生や高齢者も多い。この層は、インターネット販売のクレジットカード決済を行うことができない、または行いたくないという特性をもっている。したがって、店頭は最も重要な販路だ。
Q. 販売の目標は?
A. 昨年は、前年比1.5倍弱を果たした。今年も同様の成長を見込んでいる。
Q. 仮想化・自動化ソリューションで、ホスティング事業者やサービスプロバイダをメインユーザーとするパラレルスにとって、デスクトップ事業部が扱う「Parallels Desktop for Mac」のような製品は異色のような気がするが……。
A. 確かに、当社のなかでは少々変わっているかもしれない。しかし、1台のワークステーションで複数のOSが稼働する「Parallels Workstation Extreme」で、ある教育機関がグリッドコンピューティングを構築した例もあるように、デスクトップ事業部は新しいソリューションを創造する役割を担っている。
Q. デスクトップ事業部は、コンシューマ市場だけでなく法人市場にもアプローチしているということか。
A. その通りだ。最近は、個人が自分のモバイル端末をプライベートとビジネスで利用するBYOD(私的デバイス活用)の動きが、日本でもみられるようになってきた。「Parallels Desktop for Mac」や「Parallels Mobile」の企業ユーザーを増やすチャンスだと捉えており、法人市場でもビジネス拡大を図っていく。
社会人になったものの、学生時代からプロのミュージシャンになる夢を捨てきれないでいた。そんなとき、バンド仲間から「プロになれるかもしれない」との連絡が入って、思い切って退職。オーディションを受けたが、落選した。再就職は、成長著しいIT業界に飛び込んだ。これがターニングポイント。
ジャストシステム退職後はIT業界の外資系ソフトメーカーを渡り歩き、海外ソフトを国内市場に広めることに没頭した。今は、「本社の上司とのやり取りや、海外出張などに生きがいを感じている」という。
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