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「CES 2012」レポート dtsの「高音質」への挑戦、動画配信との連携がカギ
2012/01/13 16:51
dtsは、これまでAV機器に音声デコーダー技術を組み込むビジネスが主流で、多くのAV機器に同社の技術が搭載されている。また、映画配給会社とのパートナーシップを築いて、映画の音声にdtsの技術が組み込まれるよう取り組んでいる。
しかし、動画を視聴する端末は広がっている。dtsは、PCやスマートフォンのメーカーにも音声デコーダー技術を組み込むよう交渉を進め、現段階ではPCで富士通やオンキヨー、ASUS、MSI、スマートフォンでLGエレクトロニクスなどが機器に技術を搭載している。
ただ、今後は動画配信サービスなど、クラウドによって、ユーザーはさまざまな端末で動画を視聴するようになる。dtsは、そのときにユーザーが「さまざまな端末で視聴できるのだから、とりあえず音質は気にしない」という認識に陥らないよう、動き始めている。
現在、さまざまな端末メーカーとの交渉を進めているほか、CES 2012)で、今回、来場者に対して、「高音質」がいかにコンテンツの魅力を引き出すか、さまざまな端末を通じて訴えている。
また、デジタル技術の標準化団体のDECE(デジタル・エンタテインメント・コンテンツ・エコシステム)のデジタル・コンテンツ著作権保護規格「UltraViolet」も、dtsにとって高音質への意識を広めるうえで重要という。AV機器メーカーや映画配給会社とのパートナーシップに加え、さまざまな企業とアライアンスを組むdtsの新たな挑戦が始まっている。(佐相彰彦)
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