店頭流通
東芝、タブレット端末をラインアップ展開、Android端末でシェア10%を狙う
2012/01/10 18:45
会見では、東芝執行役員上席常務の大角正明デジタルプロダクツ&サービス社社長が、「CES 2012」で展示する製品を紹介しながら事業戦略を説明。タブレット端末「レグザタブレット」シリーズに力を入れ、2012年度(2013年3月期)中にAndroid OS搭載タブレット端末でシェア10%の獲得を目指すとした。
東芝にとって北米市場は、売り上げ全体の約4割を占める重要な市場だ。タブレット端末はグローバルで伸長しているが、北米市場でシェアをアップするために、東芝はラインアップを充実させる戦略に出る。2012年度の中盤をめどに、13インチモデルと有機ELディスプレイの7.7インチモデルを発売する。前者には、大画面を活用するためにテレビチューナーなどの搭載や厚さ1cmを切ることを目標に開発を進めている。また、タブレット端末で業界初の有機ELモデルディスプレイを搭載する後者は、厚さ8mmを切る予定だ。さらには5.1インチモデルも開発しており、位置づけや主要用途が決まった段階で発売に踏み切る。
米国市場には、99ドル程度のタブレット端末が存在するなど、低価格競争が激化している。大角社長は、「低価格競争についていけず、2011年に苦戦したことは否定できない。しかし2012年は、しっかりとした商品を出していきたい。ラインアップを増やしていくことで、単なる値崩れを避ける取り組みを進める」と説明し、加えて「(ラインアップでは)いろいろ手を考えていく」と、今回発表したモデル以外の新製品の発売を示唆した。
また、タブレット端末を、ネットにつながる薄型テレビなど、次世代のAV機器コントローラーとして利用するアプリケーションを開発。今後は、グリッド表示の番組表やジャーナル表示の番組一覧の統合表示・検索からテレビ側のチャンネルを切り替えることができる「メディアガイドApp」、ブルーレイディスク(BD)レコーダーやCATVケーブルを遠隔で操作することができる「リモートApp」などを搭載していく予定だ。
大角社長は、このほか、テレビやPCにも言及した。テレビは、高解像度の4Kのグラスレス3D対応モデルを2012年前半をめどに発売する計画で、北米のテレビ市場でシェア10%を目指す。この製品は日本や欧米だけでなく、インドや中国でも商品化を進める。PCは、インテルが提唱する薄型・軽量のモバイルPC「ウルトラブック」を武器に30%のシェアを見込む。
さらに、米国市場で「ライフデザインボックス」と「HEMSクラウドサービス」などの機器やサービスで、電気消費の見える化や効率的なエネルギー利用をアドバイスする「スマートホーム」を提供。そのために、グループ会社で米国の電力会社を顧客にもつランディス・ギア社との連携を強化する。スマートホーム関連では、2015年に100億円の売り上げを目指しており、米スマートホーム市場のシェア20%を狙う。(BCN・佐相彰彦)
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