店頭流通
ラオックスが中国・南京に1号店、2012年中に2ケタの出店目指す
2012/01/01 18:45
中国最大の家電量販店蘇寧電器傘下の同社は、蘇寧の商品調達力などを利用しながら、ラオックスライフを中国で展開。きめ細かなサービスを提供する日本型店舗の新業態店として、2012年中には「少なくとも2ケタの出店を目指す(ラオックス・羅怡文社長)」。さらに3年で30店舗、5年で150店舗まで拡大していく計画だ。
「ラオックスライフ・銀河1号店」は、売り場積が約1万5000平方メートルの大型店で、品揃えはおよそ20万点。家電製品を中心にしながら、時計、玩具、ベビー用品、フィギア、アニメグッズなども取り扱う。1階が携帯電話やスマートホン、2階がパソコンやテレビ、3階が玩具や雑貨、4階が生活家電、5階は未オープンだがレストラン、という売り場構成。親会社の蘇寧電器は、取り扱いがほぼ家電製品のみなのに対し、取り扱い商品を広げ、日本製品も積極的に取り扱うことなどで高品質な製品を増やし、中国の中間層以上の顧客層を狙う。
BCNの取材に対してラオックスの羅社長は「開店準備にかけたのは3か月間だけ。テナントとして入っていた百貨店が9月末に引き払った後、10月からの準備でなんとか年内開店にこぎつけた。レストランは間に合わず3月ぐらいになりそうだが、これだけ大きく品揃えも豊富な店舗をこの短期間で立ち上げたのは驚異的なスピード」と語った。蘇寧電器の店舗と異なり、店員はすべて自社の社員でまかない、まったくの日本式の運営を行うことなどを通じ「全体的に蘇寧よりもワンランク上の店作りを目指す(羅社長)」。さらに、これから1~2年の間で年間100億円程度を売り上げる店にしていきたいと抱負を述べた。同じ南京の新街口に近く開店を予定しているヤマダ電機南京店について羅社長は「お互い刺激になっていいことだ」と中国での日本型店舗の拡大に自信を見せた。
開店にあたり、ラオックスライフ・銀河1号店の伊藤正人店長も「スケジュールが一番大変だった」という。「中国の普通の店舗なら3か月で開店というのは珍しくはないが、きれいな内装で製品案内表示なども充実している店舗をつくりあげるにはとても厳しいスケジュールだった」と振り返る。
また、日本式のサービスを実現するための従業員教育については、「350人近い社員を約2か月で教育した」としつつ、「最初のころは日本式の接客は、現状の他店のサービスに比べて格段に丁寧なので逆に違和感を持つ者もいたようだ」と明かす。しかし徐々に違和感も消え「新店舗で実際にやってみるとまったく問題ないレベルになった」と話す。また、「所得と民度があがる中国では、売り方も変わってくる。日本のような接客や店作りも求められるようになり、そこでの差別化が必要になる」と語った。(道越一郎)
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