デジタルトレンド“今読み先読み”
波及するスマートフォン効果 無線LANが2ケタ成長を維持
2011/11/24 18:44
週刊BCN 2011年11月21日vol.1408掲載
デバイス連携の提案で新たなユーザー獲得
BCNランキングでは、無線LAN(Wi-Fi)が昨年10月は前年比131.6%、今年10月は117.3%と、2ケタ成長を維持している。メーカー別販売台数シェアでは、バッファローが50%前後で圧倒的なポジションを確立。持ち株会社メルコホールディングスの松尾民男・取締役管理本部長は、「今後さらにスマートフォン市場が拡大していくことで、Wi-Fiのニーズは高まるとみている。無線LANの販売は、これからも期待できる」と断言する。シェア15%前後の二番手グループに位置するプラネックスコミュニケーションズの担当者も、「既存ユーザーの買い替えに加え、スマートフォンユーザーの拡大が追い風になっている。今後は、テレビのネット接続が本格化していくことも追い風になる」と、ネット対応デバイスの広がりに期待を示している。当然、家電量販店も無線LANの販売に積極的に取り組んでいる。ビックカメラ有楽町店では、4階のPC周辺機器コーナーで、スマートフォンやテレビ、プリンタなどの無線LAN対応機器を家庭で快適に利用するシーンをパネルで提案しているほか、5階のPC売り場でもパネルや無線LAN製品を展示するなど、訴求に力を入れている。また、「配線ナシで家中スッキリ!」「スマホの写真を転送する!」「プリンタを別室のPCから出力!」「ゲーム機でかんたんインターネット!」など、インターネットの活用方法を紹介する28種類のリーフレットを用意し、PCやデジタル機器の操作に慣れていない人にもわかりやすい内容で利用シーンを提案している。
インターネットの活用方法を紹介する28種類のリーフレットを置く
ビックカメラ 有楽町店 平澤紀子氏 |
タブレットの普及に期待 機器を組み合わせての提案も
活況のスマートフォンだけでなく、今後の期待される製品として、タブレット端末が挙げられる。キャリアから発売している3GやLTE対応モデルは別として、通信機能はWi-Fiのみというモデルもあって、家庭内では無線LANルータが必須アイテムとなる。ビックカメラの平澤氏は、「今後は、タブレットと無線LANのセット提案を強化していく」とさらにターゲットを拡大させる。平澤氏によると「例えば、東芝のレグザタブレットの場合、アプリを使って、テレビのない部屋でタブレットでテレビを見る機能に関する問い合わせが多い」など、すでに手応えを感じているという。ピーシーデポコーポレーション(PCデポ)では、専用パネルや什器を用いて、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」、タブレット端末「SONY Tablet」、PC「VAIO」とDLNA対応のネットワークストレージを組み合わせた提案に乗り出した。大型店舗から順次展開をスタート。各種デバイスをつなげる提案を強化している。
「以前はユーザーの100%はPCユーザーだったが、今ではPC以外のマーケットが形成されている」(メルコホールディングスの松尾取締役管理本部長)という無線LAN。これからも好調に推移しそうだ。(田沢理恵)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。
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