店頭流通
メルコ、中国市場シェアのふた桁実現に向けて全電脳城に「バッファローショップ」の出店を目指す
2011/05/23 18:45
メルコは、2003年6月、上海にマーケティングオフィスを開設。地場の代理店との取り引きを通じ、中国でのビジネスを広げてきた。09年には、業界トップ3販社であるデジタルチャイナ、シネックス、ECSとの取引も開始。販路を一気に広げ、北京オフィスの開設を期に勢いを加速させる。
足がかりは、電脳城と呼ばれるITモールへの「バッファローショップ」の出店。中国のPC関連市場は、電脳城と量販店でそれぞれ6兆円程度、ネット販売が2~3兆円程度の規模で、商業ビルに小さなショップが居並ぶ電脳城は大きな販売チャネルだ。PCメーカーのショップは多いが、周辺機器メーカーのブランドショップはほとんど例がない。
唯一の周辺機器総合メーカーという同社の特徴を生かし、ショップの展開を通じてブランドを浸透させていく。現在は、北京に1店舗、上海に2店舗を出店しており、稲葉層経理は「近い将来、中国に140程度ある全電脳城に専門ショップをオープンしたい」と語った。
メルコの中国での年間売上げは16億円程度。ストレージが約7割を占め、残りの3割がNAS、無線LAN、マウスなどという構成になっている。中国でのマーケットシェアは現在5%程度で、直近の目標はシェアのふた桁乗せだ。レノボ、シーゲート、ウエスタンデジタルなどが上位に並ぶ市場だが、まずは中国メーカーであるイーゲートのシェアを超えるのが目標だ。
稲葉総経理は、「わが社はNASでは世界シェア22%のトップ企業。今後は北京、上海、広州など、PCやインターネット環境が整備されつつある沿岸部では、強みを生かして付加価値の高いNASの拡販に力を入れる。一方、内陸部に関しては、シンプルな外付けHDDを中心に力を入れていく」と、中国市場でのシェア拡大戦略を語った。(BCN・道越一郎)
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