店頭流通

メルコHD、10年度第2四半期は増収増益、「デジタル家電に注力」

2010/11/01 18:45

 メルコホールディングス(牧誠代表取締役社長)は、11月1日、10月25日に発表した2010年度(11年3月期)第2四半期(4月1日-9月30日)の連結決算に関する説明会を開催した。ネットワーク製品とストレージ製品が堅調だったことから、売上高は前期比9.2%増の589億3300万円。営業利益は同203.9%増の47億5600万円、経常利益は同191.9%増の48億2200万円、純利益は同185.8%増の29億1500万円で、増収増益となった。

 製品別の売上げは、メモリ製品では、内蔵メモリが高速データ通信と低消費電力が特徴の「DDR3」製品の販売増によって、前年同期比3%増の48億8600万円。USBメモリは、需要が一巡したことによる市場規模の縮小で、同13.3%減の37億6300円だった。 

松尾民男取締役管理本部長

 外付けHDDを含むストレージ・NAS(ネットワーク対応HDD)製品は、PC周辺機器のほか、デジタル家電周辺機器として訴求したことが奏功し、売上高は堅調だった。ストレージは、同0.5%増の201億500万円、NASは同9.4%増の62億2700万円。

 無線LANなどのネットワーク製品は、地上デジタルテレビをはじめとするデジタル家電への接続需要の増加によって、同36.7%増で133億600万円だった。松尾民男取締役管理本部長は、「テレビ向けのコンテンツの容量増加に伴い、IEEE802.11a/gから最新規格IEEE802.11nへの買い替えニーズが高まっている」と、無線LANに期待を寄せる。

 松尾取締役は、「当社はPC周辺機器メーカーとして実績があるが、数年前から力を入れてきた『デジタル家電周辺機器』メーカーとして、2010年度は躍進へのターニングポイントになるだろう」と、改めてデジタル家電周辺機器に注力する方針を示した。 

ポータブルWi-Fi DWR-PG

 デジタル家電への具体的な取り組みとして、NTTドコモのFOMA回線と無線LANを使うことができるモバイル無線LANルータ「ポータブルWi-Fi DWR-PG」や、HDD内蔵地上デジタルチューナー「DTV-H500R」、スマートフォンやスレートからNASにアクセスできる無料アプリ「WebAccess i」など、2010年度に発表した新製品を紹介。「WebAccess i」については、現在iPhone、iPod touch、iPadのみの対応だが、Android端末向けのアプリも開発中で、近く発表できることを明らかにした。

 10年度通期の連結業績予想は、売上高が前年同期比10.3%増の1290億円、営業利益が同23.3%増の93億円、経常利益が同22.8%増の94億円、当期純利益が同12.2%増の56億円を見込む。
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外部リンク

メルコホールディングス=http://www.melco-hd.jp/