店頭販売奮闘記
【店頭販売奮闘記】キングジム(前編) 「テプラ」から始まった量販店開拓
2010/10/07 18:45
週刊BCN 2010年10月04日vol.1352掲載
山幡英一 営業戦略統括部 量販部 営業一課長 |
ところが、08年12月のデジタルメモ「ポメラ」発売によって、状況は一変する。文字入力機器としてPCが一般化した今日にあって、「メモをとる」ことに特化したアナログ的な要素が新機軸として受け入れられ、「われわれも想定していなかったほどのヒット」(山幡英一・営業戦略統括部量販部 営業一課長)となって、家電量販店での売り上げが急拡大したのだ。
“ポメラ効果”は絶大だった。「販売店のバイヤーから『キングジムの製品は、きちんとチェックしておかなければ』と言ってもらえるようになった」(山幡課長)というように、販売店の目が変わったのである。
「ポメラ」のヒットを機に、同社は店頭対策を強化。それまでにない新機軸の商品だっただけに、売り場の確保は非常に重要なポイントだった。ある量販店では、売れ筋商品としてエスカレータ前の“一等地”の確保に成功。ブームの大波が去ったいまでも、多くの店舗で「ポメラ」は電子辞書コーナーの一角を占めている。
現在は、「ポメラ」に続く電子文具として発売してきた製品群──デジタル名刺ホルダー「ピットレック」や、卓上メモ「マメモ」などの製品を、「ポメラ」と合わせて「ビジネスツール」として提案するなど、新たな取り組みに奔走している。(田沢理恵)
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