店頭流通

ソフマップ 中国人客向け店頭施策で売上増 クーポンや早朝開店で他店と差異化

2010/09/30 18:45

週刊BCN 2010年09月27日vol.1351掲載

 ソフマップ(平岡正行社長)の秋葉原本館が、免税品を中心に扱う2階フロアの充実を図っている。2010年7月、中国人の個人観光客向け査証(ビザ)の発給要件緩和に伴い、中国人客が増えていることに対応した。「7月以降、子どもを連れた40歳前後のご夫婦や、30~40代女性の団体客が増えている」と、上村匡希フロア長は語る。現在、外国人の来店者のおよそ8割が中国人観光客だという。

営業部秋葉原本館
上村匡希フロア長
 同店で中国人に最も人気のある製品はデジタルカメラ。免税フロアの販売金額の約6割を占め、とくにコンパクトデジタルカメラが売れている。次いで腕時計が約2割で、日本メーカーの製品に人気が集まっている。残り約2割は理美容品と調理家電で、それぞれ約1割だ。理美容品は、ツメ切りや磁気ネックレスなどの比較的単価の安い製品、調理家電は炊飯器が売れ筋だ。

 免税フロアの売り場づくりの一環として、これまで最大4人だった中国語・韓国語・英語の通訳を増やし、7月以降は最大6人が常駐するようにした。また、秋葉原本館は通常11時開店だが、2階の免税フロアは10時オープンにして、他店との差異化を図っている。「秋葉原では、10時から開いているお店は少ない。観光客は時間があまりないので、午前中の時間を有効活用できるよう対応している」という。

 このほか、ユニスリー・システム(中澤聖一代表取締役)が総取扱店となっている中国VELO(Yibin Zhang CEO)の会員制クーポンの告知をレジ横で実施。このクーポンは、2010年2月にビックカメラグループがVELOと提携してサービスを開始したもので、現金とクーポンを組み合わせると、免税5%とクーポン8%で合計13%の割引になる。観光客自身が出国前にクーポンを専用端末で入手しなければならない手間はあるが、ほかの家電量販店にはない優位点としてアピールしている。

 こうした取り組みが実を結び、秋葉原本館の免税フロアの販売金額は、7月、前年同月比で約160%、フロアで製品を購入した客数は約200%を記録した。

 上村フロア長は「中国人観光客は、今後も10月の国慶節、年末年始、来年の春節(旧正月)という長期連休の来店が継続して期待できる」とみる。ソフマップ秋葉原本館は、今後も中国人観光客への施策に注力することで、売上増を狙う。(井上真希子)

中国人客の間で日本製腕時計の人気が高まっている
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