店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】アドビ システムズ(前編) 都心から郊外への横展開へ

2010/09/09 18:45

週刊BCN 2010年09月06日vol.1348掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

岡田茂久
チャネルセールス
部長
 画像編集ソフト「Photoshop」や、ウェブコンテンツ制作ソフト「Flash」などで知られるアドビ システムズ。同社は、コンテンツ制作などのプロフェッショナル向けの製品が多いが、初心者にも使いやすい「Photoshop Elements」など、一般コンシューマをターゲットにするソフトウェアも数多く投入している。販売チャネルは、ディストリビュータを介してクリエイティブ業界などに販売するほか、ビックカメラをはじめとするカメラ系大手家電量販店でのパッケージ販売が柱だ。

 「デジタル一眼やミラーレス一眼が伸びている影響で、『Photoshop』などの画像編集ソフトや動画編集ソフトの需要が高まっている。今が事業拡大の大きなチャンスだ」と語るのは、チャネルセールスの岡田茂久部長。量販店では、同社製品のほとんど全部が並ぶ「アドビコーナー」を設置するだけでなく、カメラ売り場やPC売り場にも製品を置き、店舗全体での露出を高めている。「アドビはブランド力が強く、競合製品があまりないので、量販店に対して力をもっている」(岡田部長)と自信満々だ。

 現在は、デジタル製品の動向に敏感な層が多い東京や大阪の都市型店舗をメインに製品を展開しているが、事業拡大に向け、郊外型店舗への進出を始めている。販売領域を、製品がよく売れる都心から少しずつ外側へと広げる横展開の戦略だ。

 しかし、使いこなすにはある程度の専門知識が必要で、価格がやや高めの同社ソフトにとって、郊外型店舗はハードルが高いともいえる。「郊外は客層が都心部と異なるので、高価なソフトはなかなか置いてもらえない。とくに統合クリエイティブソフト『CS5』は、郊外での販売が難しい」と、岡田部長は横展開の苦労を語る。現在は、エントリー版である「Photoshop Elements」の使いやすさを店の担当者にアピールするなどの施策で、郊外型店舗にアプローチしている。(ゼンフ ミシャ)
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