店頭流通

富士フイルム 3Dデジカメはワールドワイドで販促に注力

2010/09/02 18:45

週刊BCN 2010年08月30日vol.1347掲載

 富士フイルム(古森重隆代表取締役社長・CEO)は、8月17日、3Dと2Dの静止画や動画が撮影できるコンパクトデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」を、9月4日に発売すると発表した。国内だけでなく、ワールドワイドで9月初旬に投入する。

 2009年8月に発売した世界初の3D対応コンパクトデジカメ「FinePix REAL 3D W1」の後継機。ハイビジョン(HD)画質で3D動画が撮影できるようになったほか、本体の小型・軽量化を図った。実勢価格も、従来の6万円前後から、4万8000円前後まで下げ、購入しやすくしている。今後1年間で、40万台の販売を目指す。 

FinePix REAL 3D W3

樋口武取締役
 「W1」以上に販売施策に力を入れ、日本を含む約60か国、約3000店舗を販売店として確保。また、「W1」は主要な店舗を中心に実機を置いていたのに対し、「W3」は2Dのコンパクトデジカメ「Fine Pix」と同じ規模で、より多くの店舗に設置する。カメラ売り場だけでなく、3D対応テレビの売り場でも訴求し、手軽に3Dコンテンツを創作できる主軸製品として提案していく。

 広告宣伝は、国内のテレビCMにはこれまでと同様、「FinePix」のイメージキャラクター、佐々木希さんを起用。ワールドワイドでの取り組みとして、3D映画を上映している映画館で、ラフティングや子どもが庭で水遊びをする姿など、「W3」で撮影した3D映像を使ったCMを放映する。販売店の売り場で3Dの魅力をユーザーに伝えられるよう、店員向けの勉強会も実施する。

 樋口武取締役常務執行役員電子映像事業部長は、「カメラだけでなく、フォトフレーム、プリント事業を含めた3Dデジタル映像システムを電子映像事業部の柱に据える」と今後の方針を示した。富士フイルムは、「W3」の投入によって、3Dデジタル映像システム全体で、9月からの1年間で100億円程度の売り上げを見込んでいる。(井上真希子)

古森重隆社長・CEO(右)とイメージキャラクターの佐々木希さん
  • 1

関連記事

<インタビュー・時の人>富士フイルム コンシューマー営業本部 ファインピックスグループ 部長 小島正彦