店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】セイコーインスツル(後編) 他社とのコラボで相乗効果

2010/09/02 18:45

週刊BCN 2010年08月30日vol.1347掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

越田俊英
データサービスシステム
事業部
CP企画営業部
CP営業一課
アカウントマネージャー
 セイコーインスツルは、専門性の高いコンテンツを収録したビジネス向け電子辞書を製造・販売する。越田俊英アカウントマネージャーは、この電子辞書のカメラ系量販店の店舗巡回を担当している。売り場には、汎用性の高い電子辞書の有力メーカー製品がずらりと並び、越田マネージャーは「正直なところ苦戦している」と本音を漏らす。

 売り場の一角で、自社製品を目立たせるために工夫しているのは、「季節感をもたせること」。例えば、夏なら旅行などのイベントに絡めて製品を演出する。また、最近ビジネスパーソンの間で高まっている自己啓発やスキルアップなどのニーズは、電子辞書にとっては追い風だ。「こうしたトレンドを取り入れることで、売り場を盛り上げていく」。

 2009年の年末商戦で展開したPCソフトとのセット販売は、成功事例の一つ。名刺データが記録できる「SR-G7001M」「SR-G6001M」と、ジャストシステムの名刺管理ソフト「速攻!名刺管理2」を組み合わせて訴求した。また、10年7月からは、NHK「ラジオ英会話」のテキストと連動。テキスト売り場に「ラジオ英会話」の番組1年分の音声を収めた「SR-G6100NH」を紹介するPOPを設けた。いずれも「他社とコラボレーションすることで相乗効果が期待できる」(越田マネージャー)取り組みだ。

 一方で、「電子辞書は触っていただかないと、便利さがわかってもらえない。どうしたら売り場での操作に結びつけられるか、工夫が必要」という課題もある。さらに、「当社製品は他社と比べて全体的に価格が高いが、なぜ高いのかをわかるようにすることも不可欠」だという。

 売り場での展示方法に加え、定期的に実施する店員向けの勉強会も重視している。「自社製品間の違いや他社製品との違いを知ってもらわないと売れない」からだ。こうしたさまざまな角度からの店頭施策で、ユーザーの認知を高めていく方針だ。(井上真希子)
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