店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】セイコーインスツル(前編) 製品寿命の長さで「安心感」を伝える

2010/08/26 18:45

週刊BCN 2010年08月23日vol.1346掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

手塚雄彦
データサービスシステム
機器事業部
CP企画営業部
CP営業一課プロダクト
セールスマネージャー
 「SEIKO」ブランドのクオーツ式腕時計で知られるセイコーインスツル。腕時計で培った技術は、現在、精密部品や情報機器などの事業に生かされている。技術開発に強みをもつ同社が、コンシューマ向け製品として提供するのが、1992年に製品化した電子辞書だ。

 ターゲットはビジネスユーザー。ポイントを絞ることで、フルラインアップで幅広いユーザーに訴求する先発メーカーとの差異化を図った。「ビジネスシーンで役立つ専門性の高い辞書を収録することで、コンテンツの鮮度を落とさず、製品寿命を長くしている。これは、ユーザーの安心感につながっている」と手塚雄彦プロダクトセールスマネージャーは自信をみせる。さらに、「コンテンツをPCでも使うことができる連携機能も強み。ユーザーの作業環境に適した製品を提供することで、買い替え需要を確保する」という。

 店頭施策では、2006年頃まではラウンダーを配置していたが、その後、製品の提案から売り場の製品陳列まで、取引先の法人別に営業担当者を置くかたちに切り替えた。「製品の展示方法や製品への要望など、現場の声をすぐにかたちにするスピードが早くなった」と手塚マネージャーは語る。新製品発売時と春の商戦期には、店員向けの勉強会を実施。製品知識の向上はもちろん、店員自身に「セイコーインスツルのファンになってもらう」ため、定期的に開催している。

 最近は、ウェブサイトで製品知識を得るユーザーが多く、サイトのコンテンツの拡充にも力を入れる。現在、BCNランキングの7月の電子辞書部門でのメーカー別販売台数シェアは3.8%。数字は決して大きくはない。しかし、「ラベルライターや電卓などと同様に、電子辞書は継続して売れていく商品」と捉えており、楽観的にみている。(井上真希子)

ビックカメラ有楽町店本館の電子辞書売り場
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