頂上熱戦

【頂上熱戦】「液晶ディスプレイ」(前編) 三菱電機とLGエレクトロニクス・ジャパン

2010/08/26 18:45

週刊BCN 2010年08月23日vol.1346掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)トレンド (2)注力製品 (3)新製品について

(左から)三菱電機「RDT232WM-Z」、LGエレクトロニクス・ジャパン「W2363D」


Answer.三菱電機

村田光司
デジタルメディア事業部
モニター事業センター長
(1)【トレンド】当社はまだ製品化していないが、ユーザーの目はLEDバックライトモデルに向いている。これには、LEDテレビの影響が大きい。また、2011年に地上デジタル放送に切り替わることを受けて、フルハイビジョンパネル、IPSパネル、超解像技術などを採用し、映像をより美しく表示するマルチメディアモデルが注目を集めている。とくに視野角が広いIPSパネル搭載モデルは、価格がこなれてきたこともあって、09年後半から注目されている。

(2)【注力製品】09年から、マルチメディア系のモデルに力を入れている。5月には、業界初の超解像技術搭載モデル「RDT231WM」「RDT231WM-S」を発売。11月に、超解像技術に加えてIPSパネルを採用した「RDT 231WM-X」を投入したことで、販売台数シェアを伸ばした。今年の目玉は、6月に発売した60コマの映像から動きを予測した映像を作り出し、120コマに補間する業界初の倍速補間技術を搭載した「RDT232WM-Z」だ。当社はテレビ部門をもっているので、超解像技術や倍速補間技術など、他社より先にテレビで培った技術を液晶ディスプレイに転用できることが強みだ。

(3)【新製品】LEDモデルは、今年の秋には投入したいと考えている。LEDには長所と短所があるので、高速応答などの長所を生かした製品開発を進めたい。3Dモデルは、対応コンテンツが揃い、ユーザーの方式に対する迷いが落ち着いた時期を見計らって投入したい。


Answer.LGエレクトロニクス・ジャパン

梁盛植
マーケティングマネージャー
マーケティング企画
(1)【トレンド】トレンドは、CCFLからLEDに移っている。当社は2009年7月に、普及価格帯で初めてLEDバックライトを搭載する「W2486L・PF」を市場に投入した。その後、他社もLEDに参入し、10年は主力メーカーのほとんどがLED製品を出している。LEDモデルは今後も伸びていく。日本市場での販売台数構成比は、今年中には15%、来年中には30%を超えるとみている。また、3Dや超解像技術も今後のトレンドになるだろう。テレビの技術が液晶ディスプレイに流れてきている。

(2)【注力製品】今年、とくに押しているのは、4月に発売した超解像技術採用の「E2350VR」と「E2250VR」。液晶ディスプレイとしては日本メーカーしか販売していない超解像技術搭載モデルを、海外メーカーとして初めて普及価格帯で投入したことは、市場にインパクトを与えたと自負している。超解像技術にプラスしてLEDバックライトを採用しているモデルを出しているのは当社だけだ。また、3D対応モデル「W2363D」も4月に発売した。他社の3Dモデルにない強みは、172Hzのデータ処理速度。また「W2363D」は輝度が400cd/m2で、3D対応のメガネをかけて試聴しても明るく見えることが売りだ。

(3)【新製品】新製品には、すべてLEDバックライトを搭載していく。また、他社にはないデザイン性の高い製品を出していきたい。今年中には、厚さ12.9mmの世界一薄い液晶ディスプレイを投入する予定だ。(武井美野里)
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