店頭流通

日本ヒューレット・パッカード WDLCに加盟 地デジPCの訴求力高める

2010/08/19 18:45

週刊BCN 2010年08月09日vol.1345掲載

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP、小出伸一社長)は、デスクトップPCの販売強化を図る。

森英雄
マネージャー
 同社のデスクトップPCは、Windows 7を追い風に、「販売台数が前年比2倍に伸びている」(森英雄・パーソナルシステムズ事業統括コンシューマビジネス本部デスクトップPCビジネスプロダクトマネージャー)など、好調に推移している。BCNランキングによる2010年1~6月の販売台数シェアは3.6%。前年同期から、2.1ポイント上昇した。

 一般ユーザーをターゲットにする液晶一体型「HP TouchSmart PC」シリーズがWindows 7を搭載し、マルチタッチや、視聴ソフト「Windows Media Center」で地デジが視聴できるようにしたことが奏功。森マネージャーは、「来年7月のアナログ放送停波に向けて、PCで地デジを見ることが受け入れられている」と手応えを感じている。

 JEITA(電子情報技術産業協会)によると、地デジPCの出荷台数は、2010年4月に単月で初めて10万台を突破。前年同月の2.1倍となったほか、6月には前年同月の3.7倍を記録している。

 こうした背景から、「地デジ完全移行まで残り1年という状況のなかで、地デジ対応機の販売に力を注ぐ」(森マネージャー)として、7月28日にはウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)に加盟した。加盟後の具体的な取り組みについては明らかにしていないが、すでに会員となっている国内PCメーカーのうちの6社が協力しているWDLCの「パソコンも地デジカ」キャンペーンに参画するとみられる。

室 裕朗
マネージャー
 製品では、セパレートタイプでタワー型「s5000」シリーズにも、地上・BS・110度CSデジタル×2基のダブルチューナーを搭載。オンラインゲームの待ち時間の合間にテレビが見られるなど、プレミアムモデルの訴求にも力を入れていく。

 ノートPCは、女性ユーザーの開拓に力を入れている。室裕朗・パーソナルシステムズ事業統括モバイル&コンシューマビジネス本部プロダクトマネージャーが、「差異化のポイントはデザイン」と語るファッション・ブランド「Vivienne Tam(ヴィヴィアン・タム)」のデザインを採用したネットブック「Vivienne Tam Edition」は、アクセサリ感覚で所有するユーザーが多い。他社にないデザインを強みに認知度拡大を図るとともに、ユーザー獲得を目指す。最終的にはハイエンドモデルの販売に結びつけていく狙いだ。「メーカーが発信する製品情報だけでは敬遠される」(室マネージャー)として、ブロガーやクチコミ効果を狙ったマーケティングに力を入れていく。(田沢理恵)
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