店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】バッファローコクヨサプライ(後編) 個人力+組織力が生む着実な成果

2010/08/19 18:45

週刊BCN 2010年08月09日vol.1345掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

浦野和宏
グループリーダー
 2007年8月、バッファローのサプライ部門とアーベルの統合によってスタートしたバッファローコクヨサプライ。現在は、販売店本部との商談を担当する「コンシューマ営業」と、店舗を効率よく巡回する「リテール営業」の二つに組織を分け、企業レベルと現場レベルという両輪の営業体制を強化している。

 東日本営業部コンシューマー営業グループでリーダーを務める浦野和宏氏は、旧アーベル出身。現在、主に販売店との本部商談を担当する浦野氏は、「アーベル時代には、組織としての力が足りなかった」と振り返る。組織としての営業戦略よりも、営業マンのスキルが売り上げを左右する傾向があったという。しかし新会社では、会社の目標をもとに個人の営業活動を組み立てていく体制が定着。「組織として、販売店と当社がお互いに利益を得られる提案に力を入れられるようになった」と明かす。そして、アーベル時代から培ってきた営業ノウハウと、現在の組織力の相乗効果が、より大きな“販売力”を生んでいる。

ビックカメラ有楽町店
本館のマウス売り場
 同社は、マウスやカードリーダーなどの看板商品に加え、現在、トランスミッタや液晶テレビ保護フィルタの販売が好調だ。iPodなどの音楽がカーステレオなどで楽しめるFMトランスミッタは、「業界で最後発の投入だったが、発売の1か月後にはシェアNo.1を獲得できた」と浦野リーダーは胸を張る。また、液晶テレビ保護フィルタは、旧アーベルが業界に先駆けて取り組んできた製品。買い替え需要を狙ってテレビ売り場での展示に力を注ぎ、テレビ本体の好調と歩調を合わせるかたちで売り上げを伸ばしている。

 本部と現場の両輪作戦は、統合の“遺産”を生かしながら、着実な成果を生んでいる。(田沢理恵)
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