頂上熱戦

【頂上熱戦】「デスクトップPC」(前編) NECパーソナルプロダクツと日本エイサー

2010/08/05 18:45

週刊BCN 2010年08月02日vol.1344掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)自社の強み (2)訴求ポイント (3)差異化

(左から)NEC「VN770/BS6R」、エイサー「eMachines EL1850-H22C/T」


Answer.NECパーソナルプロダクツ

渡邉敏博
PC事業本部
商品企画開発本部長代理
(1)【強み】企画から開発、販売、サポート・保守までを一貫して行っているので、ユーザーの声を反映しやすい。これが最大の強みだ。安心・安全・快適という共通コンセプトで商品を提供している。

(2)【訴求ポイント】上位モデルのVWシリーズにはIPS方式の液晶パネルを搭載するなど、“液晶で選ぶならNEC”を合言葉に、すべてのモデルできれいな液晶でコンテンツを楽しんでいただけることを訴求している。また、モニタ一体型デスクトップは、今年の春モデル以降、全機種に地上デジタルチューナーを搭載した。2011年のアナログ放送停波に向けて、PCでもテレビが見られることをアピールしている。

(3)【差異化】当社は04年1月に地デジチューナー搭載デスクトップPCを国内で初めて発売し、いち早くPCの地デジ対応を実現した。日本のメーカーとして、日本の地デジ放送の技術をよくわかっていると自負しており、これを生かした製品開発ができている。当社のPCは、単に地デジが見られるだけではなく、「快適に」見られることにこだわっている。例えば番組表は、新聞のラジオ・テレビ欄のような「ラテ欄表示」で見やすくしているし、録画はハイビジョンのまま最大約6倍の時間、録画ができる。録り貯めた番組を急いで見たい時に再生スピードを早めたり、逆に語学講座などではゆっくり再生するという機能もある。画像や映像を快適に楽しんでもらえるよう、機能強化に力を入れている。


Answer.日本エイサー

中溝良介
プロダクト マーケティング部
プロダクトマネジメント課
Stational PC
プロダクトマネージャー
(1)【強み】2007年に、ワールドワイドでeMachinesとゲートウェイを買収した。日本市場では、09年から、これらとエイサーを合わせた三つのブランドでPCを販売している。マルチブランドで展開するPCメーカーは当社だけだ。エイサーとeMachinesがカバーできていない広域量販店をゲートウェイがカバーするかたちで、ブランドを棲み分けている。

(2)【訴求ポイント】BCNランキングで上位に食い込んでいるeMachines『EL1850-H22C/T』は、デュアルコアCPU、Windows 7Home Premiumなどを備えた本体に、モニタをセットして5万9800円という低価格のモデル。PCを安く購入したいという人がターゲットだ。しかし、安いだけではない。USB端子やカードリーダーなど充実したスペックを備え、きょう体カラーにはブラックを採用し、高級感を出している。また、エイサーブランドのタワー型には最新のGPUを搭載するなど、いち早く新しいパーツを取り入れることで、自作ユーザーへの訴求に力を入れている。

(3)【差異化】3ブランドに共通していえるのは、ワールドワイドで展開するボリュームメリットによる調達原価低減力だ。とくにeMachinesについては、「価格以上の価値をあなたに」をコンセプトに、他社が追随できない低価格を打ち出している。エイサーブランドは、ハイエンドユーザーをターゲットにしたタワー型のほか、今後は、超小型デスクトップPC「AspireRevo」の強化を図り、ユーザーのすそ野拡大を図っていく。

(田沢理恵が担当)
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