店頭流通

MARSHAL リフレッシュHDDの販売に注力

2010/07/29 18:45

週刊BCN 2010年07月26日vol.1343掲載

 MARSHAL(三原修社長)は、再生品HDD「リフレッシュHDD」の販売に力を入れる。2010年5月には、ラインアップを拡充。従来の日立グローバルストレージテクノロジーズ製品ベースのPATAインターフェースのHDDに加え、Western Digital製品ベースのSATAインターフェースのHDDを数多く投入。事業に着手した09年2月から1年間で1万5000台を販売したが、ラインアップを拡充した今年は8万台を目標としている。なぜ今、リフレッシュHDDなのか、三原社長に聞いた。

在庫管理で安定供給を実現

 「リフレッシュHDD」とは再生品HDDのことで、価格の安さが魅力。再生品とはいえ、メーカーやメーカー認定工場で新品と同レベルの試験をクリアしている。HDDは年間約5億~6億台が出荷されているが、不良品としてメーカーに返ってくる製品も莫大な数にのぼる。そのうち「約半分ほどが問題なく動作する製品」(三原社長)だという。三原社長はそこに目をつけ、MARSHALの親会社でHDD販売のフィールドスリーで、08年からリフレッシュHDDを積極的に販売してきた。

 「リフレッシュHDDの日本での認知度はそれほど高くないが、ここ数年の経済状況悪化の影響で、『少しでも安く手に入れたい』という需要があり、販売台数が伸びている」(三原社長)という。そこで、リフレッシュHDDの一部を、HDDケースをはじめとするパーツブランドとして認知度の高いMARSHALブランドで販売することにした。

 リフレッシュHDDは、メーカーに戻されたHDDを提供することから、供給が安定しない。しかし同社は、MARSHALブランドとして一定量の在庫をもつことで、安定した供給を実現している。「メーカーの協力を得て、こうした展開ができるのは、フィールドスリーでHDDのビジネスをずっとやってきたから。これがMARSHALの強みだ」と、三原社長は語る。

 とはいえ、リフレッシュHDDには、まだ課題も多い。MARSHALのリフレッシュHDDは、中古PCショップなどのほか、PCパーツ店に出荷し、個人にも販売している。専用コーナーを設けている店舗はまだ少なく、「リフレッシュHDDと認識せず、安い新品と思って買っていくユーザーもいるのでは」と、三原社長は危惧する。また、動くか動かないかだけをチェックして出荷する中古品との違いを、ユーザーにどうアピールしていくかもポイントだ。まずはリフレッシュHDDの存在をユーザーに認知してもらい、そのメリットを理解してもらうことが、今後の販売拡大のカギとなるだろう。(武井美野里)

MARSHALブランドのリフレッシュHDD
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