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ビジネスソフトが回復傾向 プログラミングソフトがけん引

2010/07/29 16:51

週刊BCN 2010年07月26日vol.1343掲載

 2010年6月のビジネスソフト市場は、販売本数は前年同月比99.5%とほぼ前年並みだったが、金額は121.2%で2割増と好転した。OSがWindows7に移行し、アプリケーションの新OS対応が進んでいることが要因だ。

 なかでも「プログラミング」と「表計算・グラフ」は、前年比2倍以上の売れ行きで、市場回復の原動力となっている。一方、「趣味娯楽」「幼児」「携帯電話ソフト」などは低迷したままで、引き続き厳しい状況が続いている。

 プログラミングソフトは、マイクロソフトが提供する統合開発環境「Visual Studio 2010」の本格販売がスタートしたことで、売れ行きが一気に増大。販売本数は前年比329.9%、金額は289.5%と、ともに3倍前後の高い伸びを示した。

 プログラミングソフトがビジネスソフト全体に占める比率をみていくと、「Visual Studio 2008」が登場した08年2月は本数で0.7%、金額で2.3%だった。これが、今回の「Visual Studio 2010」では、本数で0.9%、金額で2.5%と、いずれも上昇している。

 6月時点では、店頭に並んでいる製品は1ライセンスタイプなので、ソフト開発に携わるSEやPGなどのエンジニアが個人用に買い求めているとみていい。一時期、景気の悪化でソフト開発の案件数の落ち込みが指摘されたが、今回、「Visual Studio」の新バージョンが一気に売れ行きを伸ばしたことから、ソフトハウスやSIerを取り巻く環境が徐々に回復へと向かいつつあることがうかがえる。

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