店頭流通
GNネットコム 日本市場を重視へ 個人向けと法人向けの相乗効果を狙う
2010/07/22 16:51
週刊BCN 2010年07月19日vol.1342掲載
有力SIerとの連携で企業にアプローチ
モアン・エルスバーグCEO |
エルスバーグCEOは、「CC&Oにハンズフリーで電話対応などができるヘッドセットを導入すれば、作業の効率が向上するとともに、コスト削減を図ることができる」と、導入のメリットをアピールする。
競合メーカーとの差異化を図るための武器も明確だ。「デンマークならではの上品かつシンプルなデザインと、当社独自の高い技術にほかならない」(エルスバーグCEO)と鼻息は荒い。
しかし、日本ではこれまで何度も大きな壁にぶつかってきた。「日本の企業はアメリカやヨーロッパほどヘッドセットの使用に慣れておらず、導入への抵抗感が強い」(エルスバーグCEO)と課題を痛感。そこで今回は、二つの戦略をとる。
一つは、ウェブ上でヘッドセット導入によるコスト削減の具体的な数字が計算できる「ROI(Return of Investment=投資利益率)計算機」を提供すること。これで、企業を合理的に説得する。もう一つは、幅広い業種の企業とパイプをもつ有力SIer約30社と連携し、SIer経由で企業にアプローチすることだ。普段からターゲット企業と接しているSIerとアライアンスを組むことで、拡販を狙う。
また、法人向け事業の展開と同時に、Bluetoothヘッドセットのコンシューマ事業にも力を注ぐ方針だ。昨年から、国内ディストリビュータをソフトバンクBBの1社に絞ったことで、市場では「Jabra」は高級ブランドとして認知されつつある。今後は、高級品を求めるコアユーザーだけでなく、幅広いユーザー層の獲得に向けて、ラインアップを拡大していく計画だ。
コンシューマ事業の拡大によって、個人ユーザーを介して、オフィスでのヘッドセットの普及を狙うという。「ヘッドセットのメリットを体感した個人ユーザー兼会社員を増やすことで、ヘッドセットをオフィスに導入しやすい基盤を築いていきたい」(エルスバーグCEO)と、個人向け事業と法人向け事業の相乗効果に期待している。(ゼンフ ミシャ)
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