CFD販売（山口英利社長）は、2010年7月からギガバイト製マザーボードの販売代理店になることを明らかにした。CFDが属するメルコグループは、すでに海外でギガバイトとの協力関係にあり、国内でも代理店契約を結んだ。CFD販売はギガバイトの代理店になることで、これまで取り扱ってきた「Jetway」や「DFI」ブランドのマザーボードの販売を終了する。

田中善道 取締役事業推進部長

　BCNランキングによると、マザーボード市場はASUSが年間販売台数シェア4割前後で、トップシェアを維持してきた。2位のギガバイトは、07年に25％だったシェアを08年に34％に上げ、その後は30％強で推移。09年までASUSとの差は縮まりつつあったが、10年（1～5月末）は、再び差が開いてきている。

　CFD販売は、BCNランキングのグラフィックボードや拡張インターフェースでトップの座についているほか、メモリではグループ会社のバッファローに続く二番手。ドライブケースでのシェアも上昇している。こうした販売ノウハウを生かしながら、ギガバイトのシェアを伸ばしていく。

　田中善道・取締役事業推進部長は、ギガバイトのマザーボード拡販に向けて、「まずは、量販店と一緒に現在の問題点を洗い出し、解決していく。細かい取り組みについては、順次検討して進めていく」としている。

　ギガバイト製品で販売を担うのは、マザーボードとグラフィックボード。販売代理店事業を強化するとともに、商品力を強みにして、量販販売店向けのホワイトボックスなどの組み込み商品の提案にも力を注ぐ。

　同社は現在、PCパーツ市場全体の底上げを図る取り組みとして、子どもやシニアなどをターゲットにした自作PC教室の企画を進めている。田中取締役は、「自作需要が減っているのは、『携帯電話で十分』という若者が増えていることも一因」と指摘。ユーザーの底辺を広げるためにも、PCを自作するきっかけづくりに力を入れていく方針だ。

　自社ブランドの「玄人志向」は、マニア向け製品に加え、東芝の液晶テレビREGZAやPlayStation3専用地上デジタルレコーダーキット「torne（トルネ）」ユーザーをターゲットにしたアプローチが奏功。「1000円前後の低価格でスタンダードなドライブケースの販売が好調」（田中取締役）という。今後も、一般ユーザーをターゲットにしたラインアップの拡充に力を入れていく。（田沢理恵）