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デジタルフォトフレーム ソニーの支配力強まる

2010/07/08 16:51

週刊BCN 2010年07月05日vol.1340掲載

 デジタルフォトフレーム市場でソニーの支配力が一段と強まってきた。この市場には現在約60社が参入。初期の爆発的な勢いは影を潜めつつあるが、引き続き高い伸びを示す。ここ数か月は、販売台数が前年比3~4割増、金額は2割増と、拡大が続いている。

 ソニーの2010年2月の販売数量シェアは25.2%にとどまっていたが、その後は35.6%、48.1%と続伸。5月は55.4%と半数を超えるシェアを獲得し、寡占状態が色濃く現れはじめた。

 ソニーの躍進はブランド力だけでなく、これまで割高だった価格帯が下がりつつあることも大きな要因だ。まず画面サイズは、ソニーが7インチ台、業界全体ではやや小さめの6インチ台で推移してきたが、月を追うごとにソニーと業界全体のサイズが接近。5月は7インチ台で並ぶ展開となった。

 一方、1インチ単価は変動しながら下落傾向にある。1年前に比べてこの5月は、ソニーが3割以上も下げて1600円台、業界全体は2割減の1500円台と、差は大幅に縮小しつつある。ブランド力を維持しつつも値頃感が大きく高まったことが、ソニー躍進の推進力となっている。

 デジタルフォトフレームは、電子POPとして注目を集めるデジタルサイネージの超小型版であり、そこに流すデータや設置場所など、アイデア次第で活用形態は多様化する。子どもの成長記録や記念写真の表示にとどまらず、オンビジネスへの用途拡大を促進する動きが強まるとみられる。

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