店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】ソニー(前編) 「一斉デー」で販売店の期待に応える

2010/07/08 18:45

週刊BCN 2010年07月05日vol.1340掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

森祐樹
マーケティングマネジャー
 デジタルフォトフレーム市場でトップをひた走るソニー。新製品を投入した2010年3月以降、販売台数シェアは右肩上がりで、独走体制を固めつつある。

 店舗担当の営業スタッフがとくに力を入れるのは、新製品発売日の前日に、全国で売り場を一気に作り上げる「一斉デー」。展示什器の設置や季節のPOPの飾りつけを一日で完成させ、来店者に「本日発売」をアピールするのが狙いだ。森祐樹・コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部 パーソナルイメージングMK課 マーケティングマネジャーは、「販売店からは、デジタルフォトフレーム市場を引っ張る当社の新製品への大きな期待を感じる。『デジタルフォトフレームはソニーに任せておけば安心だ』と言ってもらえるように、『一斉デー』は、全国の営業が徹底して行っている」と語る。

 デジタルフォトフレームは、デジタルカメラや液晶テレビなど、スペックで差異化していくハイテク製品とは違い、プレゼント需要が高く、「心情的な提案ができる」(森マネジャー)というソニーのなかでも珍しい製品。営業スタッフは、販売店の店員向けの勉強会を随時開催しているが、そこでも機能の話はあまりせず、「母親にプレゼントしたら喜ばれました」「帰省するときに持って帰ったら、お孫さんの写真をご両親に見せられますよ」など、具体的な使い方の提案をしながら接客してほしい、と強く呼びかけている。

 同社は、プレゼント需要をさらに高めるため、母の日やクリスマスなど、イベントのある時期は特別な展示什器やPOPを用意している。しかし、これまではイベント当日が過ぎると、装飾はすべて捨てられてしまい、一時的に売り場が寂しくなっていた。そこで、新たに「母の日のPOPを一枚めくると父の日のPOPになる」というめくるだけで3か月連続で使える特別な季節パネルを売り場に導入。手をかけずに季節ごとの訴求を継続することで、売り場の活性化につなげる。(武井美野里)
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