頂上熱戦

【頂上熱戦】「マウス」(前編)バッファローコクヨサプライとロジクール

2010/07/08 18:45

週刊BCN 2010年07月05日vol.1340掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)製品力の自信 (2)強みと特徴 (3)今後の方向性

(左から)バッファローコクヨサプライ「BSMLW06」、ロジクール「M950」


Answer.バッファローコクヨサプライ

原敬三
商品企画1グループ
グループリーダー
(1)【製品力】機能のアピールはもちろんだが、ユーザーニーズを具現化し、特徴をわかりやすく訴求することを重要視している。例えば、握りやすさを打ち出すために、『手にフィット』という特徴を商品パッケージに大きく表示した製品もある。ユーザーの背中を押す工夫に力を入れている。

(2)【強みと特徴】当社はこれまで、有線タイプを強みにシェアを拡大してきた。売れ筋の「BSMOU05M」シリーズは、実勢価格1000円前後の有線のスタンダードモデルだが、ケーブルの長さを標準の1.5mから50㎝にし、1mの延長ケーブルを付けたことが大きな特徴。「机の上では1.5mのケーブルは必要ない」という声に対応した製品だ。コストは増加したが、ユーザーニーズに応えて製品化した。

(3)【方向性】今後の製品戦略のキーワードはワイヤレス。ワイヤレスは、一度使ったら、もう有線には戻れないほど使いやすい。市場の販売構成比は拡大傾向にあり、当社も今後はどんどん製品を展開していきたい。09年11月に発売した「BSMLW06」シリーズは、当社が何度もチャレンジしてやっと実を結んだ高機能モデルだ。2.4GHzのレーザー式を採用し、握りやすい形状に5ボタンを搭載している。4月には、手の小さな女性でも使いやすいサイズの「BSMLW09S」シリーズも投入した。有線LANが主流だった時代から無線LANをけん引してきたバッファローのように、グループの一員としてとして、今後はマウスのワイヤレス展開に力を入れ、けん引していく。


Answer.ロジクール

竹田芳浩
代表取締役社長
(1)【製品力】本社のLogitech(ロジテック)は、1981年にスイスで創業し、マウスはワールドワイドの累計で10億台以上の販売実績(2008年11月時点)がある。ソフト・ハードともに自社で開発し、中国の自社工場で生産している。クオリティコントロールはもちろんのこと、問題が発生したときには迅速に対応できる。保証期間が6か月というメーカーが多いが、当社は3年間という長期保証。これも、自信の現れだ。

(2)【強みと特徴】レーザー方式は、一般市場向けに他社に先駆けて投入した歴史がある。ワイヤレスの高付加価値モデルが強みだ。売れ筋は、ミドルクラスの「M505」や、ハイエンドの「M950」「M905」。これらは、付属のUSBレシーバー一つで、マウスのほかに、キーボードやテンキーなど、最大6台の当社製品と接続できる「unifying(ユニファイング)」という独自技術に対応している。USBポートが少ないPCでも複数の機器と接続できる。さらに、ハイエンドの「M950」「M905」は、独自技術「Darkfieldレーザーセンサー」によって、ガラスや大理石の上でもスムーズに操作できる。そのほか、ワイヤレスマウスは電池が最長で3年もつことも特徴だ。

(3)【方向性】主力のワイヤレスモデルは、エントリーも含めてほとんどの機種を2.4GHz方式に移行した。「ワイヤレス」「unifying」「Darkfieldレーザーセンサー」をキーワードに、当社が得意とする高付加価値製品の技術をミドル、エントリーにも広げ、ラインアップを充実を図っている。(田沢理恵)
  • 1

関連記事

入力装置、マウスとキーボードのみ堅調 セットでの販売が目立つ