店頭流通

日本通信 Wi-Fi用の小型ルータ発売 低価格を武器に拡販

2010/06/24 18:45

週刊BCN 2010年06月21日vol.1338掲載

 日本通信(三田聖二社長)は、5月末に、Wi-Fi用の小型ルータを発売した。4月発売のSIMカード「b-mobile SIM」と連携し、モバイル通信の需要に応える。インターネットにアクセスする端末が多様化するなか、iPadやスマートフォンの市場拡大によってニーズが高まるとにらみ、低価格のルータを武器に月1万台の販売を目指す。

今後は音声通話対応デバイスも

福田尚久
代表取締役専務
 日本通信は、ルータ「b-mobile WiFi」とSIMカード「b-mobile SIM」を連動して販売する。ルータにSIMカードを挿せば、ドコモFOMA回線で、ノートPCやゲーム機、アップルiPhone/iPadなどのWi-Fi対応機器を設定なしで簡単にインターネットに接続できる。契約などは不要で、「面倒な手続きがなく、気楽に使える」(福田尚久代表取締役専務)のが訴求ポイントだ。

 価格は、ルータが2万円前後、SIMカードの通信料が1年パッケージで2万9800円と、いずれも「コストを意識するユーザーに向けたアグレッシブな価格」(福田専務)。ルータはSIMロックフリーなので、ほかのキャリアのデータ通信用SIMカードを挿しても利用できる。

 「具体的な用途が分かりにくいSIMカード単体ではなく、ルータも一緒なので、使い方がイメージしやすい。契約もいらないので、店にとって売りやすく、お客様にとって買いやすい商品だ」(福田専務)。現状では直販サイト中心の販売だが、今後は量販店での販売に力を入れるなど、拡大していく方針。若者や主婦など、幅広い層に訴求するため、大学生協やイトーヨーカドーなどの総合スーパーでの販売も検討しているという。

 モバイルWi-Fiルータが各社から続々と登場するなか、日本通信はコストを抑え、低価格での提供を重視し、「広告やキャンペーンなどの拡販策にはお金をかけない」(福田専務)戦略を取る。その一方で、TwitterやSNSなど、ウェブのコミュニケーションサービスを通じて、口コミで製品情報が広がっていくことに期待を寄せている。

 今後は、モバイル通信関連の製品ラインアップを充実させていくとともに、主にスマートフォンユーザーに向けて、音声通話に対応したデバイスの投入を検討している。「『通信を売る』には、目に見える端末が欠かせない」(福田専務)という考え方だ。(ゼンフ ミシャ)
  • 1