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コンパクトデジカメ回復 ほぼ2年半ぶりに2ケタ増

2010/06/24 16:51

週刊BCN 2010年06月21日vol.1338掲載

 コンパクトデジタルカメラは、2010年4月、販売台数がほぼ2年半ぶりに前年比2ケタ増を記録し、売れ行きが好転した。高画素化のほか、顔認識や手ブレ補正機能の搭載が一般化するなど、使い勝手の向上がユーザーの購買意欲に刺激を与えたようだ。

 ここ数年、コンパクトデジカメは売れ行きが伸びず、停滞基調が続いていた。内閣府が2010年3月に発表したデジカメの世帯普及率は71.5%とPC並みのレベル。急激な成熟化によって新規需要が縮小したのだ。主流は買い替え需要へとシフトしたが、ユーザーの買い替え意欲を喚起するほどインパクトの強い製品が少なかった。

 風向きがやや変わり始めたのは、今年の初頭から。4月は113.1%と2ケタの伸びを達成し、市場回復が進んでいる。シーンに応じた撮影が簡単にできるなど、新製品の完成度が高まっただけでなく、割安感が強まったことが回復を促進。4月の平均単価は2万1000円で、1年前の2万4000円、2年前の2万7000 円と比べて手軽な価格になった。

 画素数は、今年の年明け以降、一段と高画素化が進み、4月は「1400万画素以上」の台数比率が32.4%とはじめて3割を突破した。平均画素数も4月は1212万画素と1200万を超えてくるなど、デジタル一眼カメラのエントリーモデルに匹敵するレベルだ。

 今後、回復の傾向を維持するためには、メーカーが新たな付加価値を発掘し、一段とコンパクトデジカメの存在感を高めることがカギを握るだろう。

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