店頭流通
ケンコー フィルターなど主力製品を強化 デジタル一眼の変化に機敏に対応
2010/06/17 18:45
週刊BCN 2010年06月14日vol.1337掲載
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田原栄一課長代理 |
フィルターは、デジタル一眼や交換レンズの売れ行きに左右される製品だ。「BCNランキング」によれば、4月の交換レンズ市場は対前年同期比で販売本数119.5%、販売金額107.4%と右肩上がりで推移しており、今後も成長が期待できる。国内営業部営業企画宣伝課の田原栄一課長代理は、「商品知識のある店員がきちんと接客すれば、交換レンズ購入客の7割がフィルターも買ってくれる」と、フィルターの売り上げ向上には店員とお客様のコミュニケーションが重要だと指摘する。この部分では、すでに15年前からケンコー自らが家電量販店の新入社員の研修を実施。ここには、製品企画を担当した同社の社員、いわばフィルターの専門家が講師として赴いている。接客のクオリティ向上が販売の向上に結びつくことを熟知しているからこそ、注力している取り組みだ。
一方、デジタル一眼の市場では、いわゆるミラーレス一眼がジャンルとして確立しつつあり、交換レンズの数も増えている。しかし、フィルターメーカーとしては諸手を挙げて喜んではいられない。現在の主力である一眼レフのフィルター径は、キヤノンの58mmやニコンの52mm。これに対してミラーレス一眼は、40.5mmや37mmと径が小さく、生産効率が悪いのだ。しかし、田原課長代理は「ミラーレス一眼市場のニーズには、しっかり応えていかなければならない」と規格の変化に対応していく姿勢をみせる。
フィルター以外でも、例えば三脚「SLIK」では、09年12月に発売した動画撮影対応モデルのラインアップを強化。既存のエントリーモデルに加えて中・上級機を投入し、11年にはプロ向けも発売する。さらに、交換レンズ「Tokina」は、35mmフルサイズの撮像素子に対応したレンズを今夏に発売する予定。
ケンコーは、常にデジタル一眼の進化と市場の変化に対応した製品を投入していくことで、総合アクセサリメーカーとしての地位を堅持していく。(井上真希子)
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