店頭流通
W杯の販売効果は!? 家電量販店の期待度を探る(ベスト電器編)
2010/06/16 18:45
5月から始めたというW杯商戦に向けた売り場づくりでは、まずテレビ売り場に近い上りエスカレーターの降り口付近に話題性の高い3Dテレビを展示。POPも使って、来店者をテレビ売り場に誘導するようにした。
テレビ売り場では、フロアの目立つ場所に3Dテレビを展示して来店者を引きつけるようにしている。売り場は画面サイズごとに列をつくり、売り場と通路の接点部分に、値頃感のある製品を必ず置くことで、来店者の目を引く。同様のレイアウトは、レコーダーの売り場でも展開している。
同時に、テレビを2台購入すると価格を割引くキャンペーンなどを実施。さらに、毎月の平日5日間に限定して、薄型テレビとレコーダーを対象にしたセールも行っている。「買い時を待っているお客様の購買意欲を刺激する」(同)が狙いで、このセールでは「3Dテレビや大画面テレビもお求めやすい価格で提供している」(同)という。
臨機応変の価格対応とコンサルティング接客で差異化
ベスト電器日吉東急店の近隣には、ヤマダ電機やノジマ、ビックカメラといったライバルが出店している。競合店との差異化は「臨機応変の対応」(斉藤店長)をまず掲げる。お客様が他店の値段を引き合いに出したとき、すぐに対応するようにしているという。もう一つが製品説明などの丁寧な接客サービスだ。パートや契約社員を含め70名の店員がいるが、その半分にあたる32名が「家電製品アドバイザー」の資格を取得。お客様の生活環境や、やりたいことなどをヒアリングして、希望に添う製品をすすめることで、店のファンづくりにつなげている。
この取り組みは「郊外型量販店のお客様とは異なり、店に来る人の多くが年配者で、百貨店に来るようなお客様が多い。丁寧な接客は非常に有効」(同)とみている。
これらの販売施策で、W杯前半の6月の販売台数は、テレビが前年同月比40%増、レコーダーは50%増を見込んでいる。「3月のエコポイントの駆け込み需要には届かないが、W杯は大きな伸びが期待できる」と斉藤店長は話す。
日本代表が決勝トーナメントまで進めば、「7月も6月の計画並みの販売が見込める」と期待を寄せる。ただ、1勝はしたが、グループリーグ突破の可能性はまだ不透明。「第2戦のオランダ戦がある6月19日、そして、20日が販売のピークになる」(斉藤店長)とみており、販売に力を入れる。(BCN・米山淳)
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