店頭流通
W杯の販売効果は!? 家電量販店の期待度を探る(ビックカメラ編)
2010/06/11 18:45
薄型テレビ、BDレコーダーに加え、スカパーチューナーにも注力
家電販売激戦区の一つ、池袋。ビックカメラ池袋本店は、薄型テレビとレコーダーをW杯商戦の注力製品に据える。薄型テレビは液晶テレビを中心に40、46V型の大型モデルをファミリー層、32V型を一人暮らしの人をターゲットに販売する。「両サイズとも価格がだいぶ安くなってきている。特に40インチ台のモデルは、大画面でW杯を楽しめるということで提案している。LEDバックライトの液晶テレビは、薄くて大画面でも部屋に置くスペースが少なくて済むので勧めやすい」と、田嶋邦彦・池袋本店2階ビジュアルコーナー主任は説明する。同時に、3D対応の液晶、プラズマテレビや4倍速機能をもつ液晶テレビを「最新機能を求めるお客さん」(田嶋主任)に提案し、売っていきたい考えだ。
レコーダーで販売の中心になるのは、1TBのHDDを搭載したブルーレイディスク(BD)レコーダー。「試合がたくさん録れたり、2番組の同時録画できるという点をアピール」して、購買につなげる。
W杯商戦でもう一つ力を入れているのが、スカパーJSATのCS放送「スカパー!HD」のチューナー販売だ。「スカパー!HD」では、チャンネルやパックなどの視聴契約を一つ結べばW杯の全試合を無料で見ることができる。そのため、「薄型テレビの大画面で、W杯を全部見ることができるサービスとして売っていく」(同)という。
テレビ売り場は面積を拡大、割引キャンペーンを実施
ビックカメラ池袋本店では、4月に2階だけだった薄型テレビの売り場を3階まで広げ、売り場面積を2倍にした。きっかけは3月の旧エコポイント終了時の駆け込み需要による来店者増だったが、「6月のW杯需要、そして2011年7月の地デジ完全移行を見据え売り場を広げた」という。売り場の拡大で、フロア構成も見直した。2階は中・小型モデル、レコーダー、ビデオカメラ、3階には37V型以上と3D対応モデルを展示した。
W杯商戦でメインの売り場となるのは3階。フロア入口にはFIFAの公式スポンサーであるソニーの液晶テレビコーナーで、日本代表を前面に出した。また、パナソニックとソニーの3Dテレビのコーナーを設けた。床や天井には大画面でW杯を見たり録画したりすることを勧めるPOPなどで来店客にアピール。週末には「スカパー!HD」のデモを行ってW杯気分を盛り上げている。
一方、2階の売り場も中・小型モデルに絞ることで、4年前のドイツW杯でも見られた、購入後、テレビをそのまま持ち帰るお客様のために十分な在庫が置けるスペースを確保できるようになったという。
W杯商戦に向けた販売促進策では、4月からスカパーのチューナーと、薄型テレビかレコーダーを同時に購入した人を対象に5000円割引キャンペーンを開始。また、1年以上前から行ってきた薄型テレビとレコーダー購入者に対する5000円割引キャンペーンを「W杯商戦に向けて店頭で前面に出すようにした」という。
きめ細かなサービスで競合と差異化
ビックカメラ池袋本店は、道路を隔てた向かい側に家電量販店では国内最大規模というヤマダ電機の「LABI1 日本総本店 池袋」があり、競争も激しさが増している。ビックカメラでは「お客様に販売員が必ず名刺を渡して説明し、購入前から購入後までサポートする丁寧なサービスを提供する」ことで、競合店との違いを打ち出している。また、薄型テレビの購入や機能をはじめ、地上デジタル放送などについて、お客様がイスに座って店員に相談できるコーナーを設置。「他店にはないサービス」として自信をみせる。「地デジご相談カウンター」という、このコーナーは、以前も2階に設けていたが、テレビ売り場の拡大を受けて、3階にも設置。フロア中央にコーナーをつくり、イスの数も増やした。