店頭流通

イー・モバイル モバイル無線LANルータでiPad需要取り込み

2010/06/10 18:45

週刊BCN 2010年06月07日vol.1336掲載

 イー・モバイルは第三世代携帯電話を使ったモバイル無線LANルータ「Pocket Wi-Fi(ポケットワイファイ)」で、アップルの情報端末「iPad(アイパッド)」のユーザーの取り込みを狙う。iPadは、ネット接続で販売契約を結んだソフトバンクの携帯回線を使うモデルと、無線LANを使うモデルがある。同社がターゲットにするのは後者で、持ち運びが容易な無線LANルータで手軽にネット接続できることをアピール。新たな販売促進策を実施し、加入者獲得につなげる。

割引キャンペーンで加入者拡大へ

エリック・ガン社長兼COO
 イー・モバイルは、iPadユーザーを獲得するために、「Pocket Wi-Fi」の新規契約者を対象として月額基本料を12か月の間、1000円割り引くキャンペーンを打つ。具体的には「データプラン(にねんM)」と「データプラン21(にねんM)」の料金をそれぞれ3980円、4980円で提供する。5月末のiPad発売にあわせて開始し、8月末まで実施する。

 「Pocket Wi-Fi」は2009年11月に発売した。イー・モバイルの調査によると、同ルータを利用する機器の1位はPC(62.5%)だが、次いでアップルの携帯オーディオ「iPod touch」(44.5%)と携帯電話「iPhone」(26.6%)が高い割合を示しており、「PC以外の機器をメインに使っている人が増えている」(エリック・ガン社長兼COO)ことがわかった。

 同社では「100万台売れた米国並みの実績が日本でも見込める」(同)というiPadで、こうした流れが加速。需要の拡大を見込んで販促策の展開に踏み切った。同時に「iPadユーザー以外でこれから利用を考えている人も、キャンペーンでの料金の安さを訴求して獲得する」(同)考えだ。

Pocket Wi-Fi D25HW
(ポケットワイファイ)

 モバイル無線LANルータを巡ってはNTTグループなども市場に参入し、競争が激しくなってきている。イー・モバイルでは「端末の軽さ、電池の寿命の長さ、さらに料金プランの安さ」を武器に他社との差異化を打ち出していく方針。量販店の店頭では「Pocket Wi-Fi」の強みを前面に押し出すとともに、ルータと携帯オーディオや携帯電話などを組み合わせて使う利用シーンの提案展示を行い、来店者にアピールしていく考えだ。(米山淳)
  • 1

関連記事

イー・モバイル、通信サービスが200万契約を突破、「100円パソコン」が奏功