店頭市場ピックアップ

ビジネスソフト、下げ幅が減少 上位5社の寡占化が進む

2010/06/03 16:51

週刊BCN 2010年05月31日vol.1335掲載

 ビジネスソフト市場は、数か月続いた前年比2ケタ減が2010年4月に底を打ち、回復の兆しがみえてきた。4月の36ジャンルを合わせた総販売本数は前年同月比91.1%、金額は同98.1%で、1ケタ減になった。

 躍進著しいのが「OS」で、4月の販売本数は前年比で224.9%、金額は203.9%と、高い伸びを示した。アップルの「Snow Leopard」やマイクロソフトの「Windows 7」といった新OSが発売以来、堅調に推移していることが背景にある。

 4月から過去6か月のメーカー動向をみると、販売本数ではソースネクストが首位を保持してきた。しかし、2010年に入るとトレンドマイクロが伸び、トップを獲得した。09年末から猛威をふるうウイルス「Gumbler」で、ユーザーのセキュリティへの意識が一段と高まり、同社のセキュリティソフト需要が増えたことが後押ししたとみられる。

 一方、金額ベースでは高額ジャンルの「OS」や「統合ソフト」を手がけるマイクロソフトが、ビジネスソフト全体の約25%と高いシェアを占める。同じく、アドビシステムズも、「グラフィックス」や「画像処理」のジャンルでシェアを伸ばしている。

 ビジネスソフト市場は上位5社が販売本数で全体の6割超、金額で7割を占め、寡占化が進んでいる。販路の多様化で店頭の市場規模が縮小傾向にあり、それがメーカー数社による寡占に拍車をかけている。

 ユーザーのソフト離れと店頭製品を圧迫するフリーソフトの高機能化など、市場環境は厳しい状況が続く。対応策を含めた成長戦略がメーカーに問われている。

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